←↑→ 東洋占術の基礎(3)陰陽

陰陽(いんよう,ying-yang)は物事を2つに分けて考える分類法です。一番
分かりやすいのは光と影。

光が陽で影が陰ですが、これは互いに一方だけでは成立しません。光が無け
れば影はできませんし、影がなかったら光の存在を確認することができませ
ん。たとえば仮に何もない空間の中で全方向から光が差している状況でどこ
にも影ができていなかったら、そこにいる人は自分が明るい所にいるのか、
暗い所にいるのか全く区別が付きません。なにしろ何も見えない訳ですから。

光と影はまさに互いに補い合う存在です。陰陽とはまさにそういうものです。

例えば左と右。中国ではどうか分かりませんが、一般に日本では左を陽とし
右を陰とします。この時左だけ、右だけという存在はあり得ません。左があ
ればその反対側は右です。

磁石のN極・S極、電気の+/−も同様。N極+が陽で、S極−が陰でしょ
う。これらは必ず対になって出現します。N極のみ、S極のみの「モノポール」
というのも存在するのではないかと言われていますが発見されていません。
また発見されたからといって陰陽の理論が揺らぐことはありません。

少し応用編に入ってまずは男と女。これは一般に男を陽とし、女を陰としま
す。これはどっちでもいいと思うのですが、習慣的なものです。古事記で、
伊邪那岐命と伊邪那美命が天御柱を回って結婚するというシーンがあります
が、この時、伊邪那岐命は左から回って、伊邪那美命は右から回っています。
古事記の作者は陰陽思想の身に付いた人であることは間違いありません。

夜と昼。これは光と影からの連想で、夜が陰、昼が陽です。

水と火。これは火が光との連想で陽になり、水が陰です。このとき日本語で
は「みず−みぎ」「ひ−ひだり」という言霊的な連想も働いていることを
記憶に留めておいてください。

硬と軟。これは硬を陽とし、軟を陰とします。男を陽とし女を陰とすること
ともイメージの連想があります。男は筋肉質で体が固く、女は脂肪に守られ
ていて体が軟らかい。もっとも贅肉でぶよぶよした男もいますが....

太陽と月。これは月を太陰ともいうように、太陽が陽で月が陰です。世界的
なイメージでも太陽神を男神とし、月神を女神とする地方は多いです。日本
では女神である天照大神が太陽、男神である月読命が月と、陰陽が逆転して
います。太陽を女神にする例は他に中東方面にもあるそうです。エジプトで
はトトが月の神の性質も持っていますね。

日本で太陽神が女性なのは農耕との関連であり、太陽が作物の恵みをもたら
してくれるので、その慈愛と、農作物の成長が生殖と結びつき、子供を産め
る女性と関連してくるからだとも言われます。

しかしそもそも陰陽は容易に逆転しうるものです。その辺りの話はまた易の
ところで話します。




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