タロットは西洋で発達したカード占いです。その美しい絵柄に惹かれて単にコレクションする人もいます。
占星術の場合は、ホロスコープを作るところで挫折する人も多いのですが、タロットの場合はとにかくカードさえ買ってくれば、解説書を見ながら誰でもすぐに占いができるため、使用人口はかなり多いものと思われます。また占星術がどちらかというと現状を分析する力が強いのに対して、タロットの場合は、ではどうすればいいか?というのを明確に出してくれます。このため、占い師の中にも占星術とタロットを併用する人は多いようです。
タロットの構成
タロットは通常78枚から成り、大アルカナと小アルカナに分類されます。
大アルカナ(大きな秘儀という意味)は次の22枚の構成です。
0.愚者 6.恋人 12.吊られた男 17.星 1.魔術師 7.戦車 13.死 18.月 2.女司祭長 8.正義 14.節制 19.太陽 3.女帝 9.隠者 15.悪魔 20.審判 4.皇帝 10.運命の輪 16.落雷の塔 21.世界 5.法皇 11.力 (8と11が逆のデッキもあります)
小アルカナ(小さな秘儀という意味)はトランプに似ており、14枚ずつ4つのスート、合計56枚から成ります。
4つのスート:ワンド(棒)・カップ(聖杯)・スウォード(剣)・ペンタクル(金貨) 14枚の構成:A・2・3・4・5・6・7・8・9・10・王子・王女・女王・王 または A・2・3・4・5・6・7・8・9・10・従者・騎士・女王・王ペンタクルはコインとも呼ばれます。また、小アルカナの最後の4枚はコートカード(人物カード)と呼ばれます。
またタロットのよってはスートの名前やコートカードの名前、また大アルカナの名前が異なっているものもあります。
なお、小アルカナのA〜10は一般に数札といわれ、トランプ同様、スートのシンボルが個数分描かれたのみのものが多いですが、全てのカードに絵が描かれているものもあり、初心者にはこちらが使いやすいです。
タロットの歴史
タロットの起源はよく分かっておらず、エジプトやインドにルーツがあると言われたこともありますが、現代では信用されていません。はっきりしているのは14世紀頃イタリア・フランス・ドイツあたりで使われるようになったということです。現存する最古のタロットは1428年にミラノのヴィスコンチ家のために作成されたタロットで、復刻版(Cary-Yale Visconti-Sforza Tarot, US-Games)も出版されています。
その後、タロットは木版印刷の普及とともに庶民の間でも(恐らくゲーム、主として博打用に)広がりましたが、その中でも「マルセイユ版」と呼ばれるタロットが現代のタロットの大きな源流になっています。
その後19世紀になると、オカルトブームを背景に、魔術に関心を持つ人たちがタロットにも注目しました。彼らはユダヤの秘法カバラとタロットを結びつけて考え、やがて、これをもとにしたタロットも制作されます。これが今世紀初頭から半ばにかけて出てきた、ライダー版、トート、BOTA、などの作品です。
中でもライダー版はその優しい絵柄と、全てのカードに絵が描かれていることから、多くの人に支持され、マルセイユ版と並ぶタロットの代表の地位を占めています。
そして現代ではタロットに興味を持ったイラストレーターが各自の深いインスピレーションを絵にした、美しいタロットが数多く制作されています。