↑ ← → タロットの風景より『太陽』
written by Lumiere on 93/06/12 16:22
 さんさんと輝く太陽の光の下で、男の子と女の子が遊んでいる。二人の向こうには
 壁があって外界からは守られている。

 太陽は(少なくとも日本人にとっては)恵みを与える存在である。空気や地面を
 暖めるし、農作物の成長を促進する。日光浴はとても気持ちのいいものである。
 初夏の頃ベンチに座ってビールでも片手に青い空と白い雲を見ていると天国の
 ような気分になる。

 いい目にばかり会って来た人を「日のあたる所を歩いて来た」と表現し、恥ずか
 しいことをすると「おてんと様に顔向けができない」と表現した。日本の神様の
 頂点に立つのも太陽神・天照大神である。

 お天気のいい日、町中の公園にはオフィスを離れて太陽の光の下でお弁当を食べる
 会社員たちの姿が見える。決って彼らが座っているのは芝生の上。自然の柔らかい
 土と草の感触がとても気持ちがいい。そよ風が木々の香りを運んで来て。コンク
 リートとアスファルトに囲まれた都会の中のほんの小さなオアシスの中、自然と
 一体になる感覚が素敵だ。私が太陽のカードを見てて感じる喜びもその気持ちの
 記憶の部分が大きい。

 近年になるまでは修行を積んだ者以外には非公開であったという真言宗の経典
 「理趣経」には、大きな喜びを与え菩薩の道につながるものとして、最初に男女
 の愛の営みをあげ、続いて自然とのふれ合いをあげている。

 欧米人にとって自然は征服したり保護したりする無機質的存在であったようだが
 日本人にとって自然は一体になることのできる霊的存在に近かったように思う。
 そこから森羅万象に八百万の神が生まれ、風流・わび・さびの文化が生まれて
 来たのだろうか。

 このカードは大きな「喜び」にあふれたカードである。

                                                     La Lumiere du Sol



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