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タロットの風景より『皇帝』
written by Lumiere on 92/11/10 14:44
皇帝と言って私が最初に思い付くのは、やはりナポレオンである。
私が小さい頃、テレビで「ナポレオンソロ」とかいう(外国物の?)テレビ
ドラマがあっていて、(もう内容は全く覚えてないが) その本と勘違い
してナポレオンの伝記を買ってもらい、それで私はナポレオン・ボナパルト
という人を知った。
彼は私にとって「愚かな英雄」と映った。権力を得る前の勇敢さと権力を得た
あとの愚鈍さがあまりにもハイ・コントラストであった。
中学の頃、私の部屋の壁に何かの宣伝か何かでもらったナポレオンのポスター
が貼ってあった。どこかへ進軍している様子を描いたものだった。そして
Il n'y a pas imposibilite dans mon dictionaire(だっけ?〜我が辞書に
不可能は無し)という言葉が書かれていた。
そのポスターを私は合計何度見たのであろうか。そして何度この「愚かな英雄」
の運命を、憐れみをもって思い馳せたことであろうか。
広大な平原が広がる。暗い地平線の彼方には低く、どす黒い山脈が。静寂を破る
無数のわだちの音。何の為に歩いているのかも知らされずにもくもくと歩く
若い兵士。明日の朝日は見れるのか不安に思う気持ちを押え込む中年の兵士。
その大軍を指揮しているのはかつて英雄だった独裁者。もう彼に忠告して
くれる友人はいない。
彼らの前に待ち受けるものは何か? 甘い蜜のあふれる天国か、はたまた
サタンの微笑む地獄か.....それを知るものはいない。
Able was I ere I saw Elba.