←→ カード各論(19)太陽, The Sun, Le Soleil
【一般的な絵柄】
代表的な絵柄として2通りのタイプがある。ひとつのタイ プでは太陽が輝いていて、壁に囲まれた庭で男の子と女の子が裸で遊んで いる。子供は男の子2人の場合もある。もうひとつのタイプでは男の子が 馬に乗って空を駆けている。その向こうに太陽が輝いている。そして細長 い旗がはためいている。
【一般的な意味】
幸福。繁栄。満足。財産。賞金。業績があがる。合格。就職。保護。子供。 子供が出来る。子供に関すること。健康。愛情。暖かさ。結婚。婚約。 よい友だち。レジャー。ピクニック。安全な所で遊ぶ。
【コメント・象徴探求】
星、月、と少しずつ育ってきたものがここで結実する。実現のカードであ る。一般によい結果が得られたことを示し、恋愛問題なら婚約や結婚、仕 事関係なら成就である。子供ができたことを示すこともあるが、女帝のカ ードで妊娠が示された場合は必ずしもできてほしくない時にできるケース があるのに対して、こちらはできてよい時にできたようなケースである。

「安全な所」とか「保護」というのは、壁の中で子供が遊んでいるカード について適用する。つまり「壁の中」という安全な場所で子供が遊んでい るからである。「太陽」のカードは成功であるが、まだ保護された中での 成功であり、更に先があると考えて良い。逆にいえばまだ絶頂ではない。 故にここから更に発展していくカードである。

太陽はどこの世界でも常に神であった。

エジプトではラア。これは太陽であり全能神であり、そして王の称号であ った。エジプトでは王は神の代理者としてラアを名乗った。BC14世紀に 宗教改革を行ったアメンホテプ4世は唯一神アテンを信仰した。アテンも 太陽神と考えられた。しかしこの宗教改革は失敗し次の王ツタンカーメン は元の信仰に戻す。そして後世アテンは悪魔とみなされた。しかしアテン 信仰の命脈が200年後モーゼを動かし、ユダヤの民に唯一神信仰を与えた のかも知れない。

アステカでは最初に作られた太陽が不完全であった為、神々が太陽の代り を務めるようになった。この太陽は常に生贄を捧げ続けなければ動いてく れないのだという。そのため生贄確保のために周辺の部族を度々襲った。 そこでスペイン人がやってくると周辺の部族はアステカ征服に協力した。 コルテスは大多数のメキシコ人にとっては救世主であり、まさにケツァル コアトルの化身だったのだ。問題はその後に来た宣教師達の方である。

ギリシャでは太陽はアポロンである。月の女神アルテミスの双子の兄であ って、後世ヨーロッパではアポロン神殿の巫女は予知と神意裁判を司った。 燃える炎の中に怒った表情で現れる威厳のあるアポロンの姿はキリスト教 社会では太陽の天使・ミカエルにすりかえられた。ミカエル信仰の裏には アポロン信仰が見え隠れする。マリア信仰の裏に大地母神信仰が見え隠れ するのと似ている。故にミカエルも厳しい表情で現れ、罪ある者は地獄に 落とすこともあるという。 (ミカエル信仰については荒俣宏「風水先生レイラインを行く」が面白い)

インドでは太陽神はスールヤであるが、むしろ重要なのは火神アグニであ る(アグニはしばしば雷神や太陽神ともみなされる−火に関する全ての管 理者なのであろう)。インドでは捧げ物は火に投じたので、火神はいわば 神々と人間の仲介者である。お経や真言で最後に「そわか」がつくものが よくあるが、これも本来「火神に捧ぐ」という意味で、インドの古い伝統 を反映している。

日本では太陽は天照大神(あまてらすおおみかみ)である。創造神伊弉諾 (いざなぎ)の娘であり、月の神月読(つくよみ)や根国の神・須佐之男(すさ のお)の姉である。神仏習合の中においては、大日如来と同一視された。 大日如来は太陽の象徴であると同時に宇宙そのものである。地球に住む者 にとっては、太陽は宇宙の代理者とみなしてよい。大日如来はペルシャの 全能神アフラマズダに対応する。(むかしアフラマヅダから名前を採った マツダ電球というものがあった)

天照大神をお祭りするのは伊勢神宮と全国の神明社であるが、この神明社 というのは伊勢神宮の分社ではなく遙拝所である。つまりそこに神がいる 訳ではなく、遙か彼方から神を仰ぎ見るための場所である。太陽というの は幾つにも分離できるものではなく、遙か彼方から地上を照らしている。 それとのアナロジーが面白い。



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