
カード各論(18)月, The Moon, La Lune
基本的には星で生まれた希望が育ってきているが、まだ太陽になるまで は育っておらず、やっと他人の光で光り始めた「お月様」の状態。だか ら「まだお月様」と思えば、よくない状態であるし、「もうお月様」と 思えば、希望が膨らんできた状態である。このカードのキーワードは 『あいまい』。
ここにざりがにがいるのは、この生物は水の中と陸の上と両方で生きて いけるので、水中(彼岸)と地上(此岸)とを結ぶものという意味がある。 つまりざりがにも月のシンボルなのである。
犬あるいは狼は月に向かって遠吠えをする動物。故にこれも月のカード にふさわしいもの。また狼は月の女神ダイアナ(ディアナ,アルテミス, セレネ)が狩をする時にお供をする動物ともされていた。
月の神はギリシャ系ではエウリュノメ系とアルテミス系があり、有名な のはアルテミス。これは太陽の神アポロンの双子の妹。別名セレネとも いい、恋人の名前はエンデュミオン。これは「セーラームーン」で使用 されているシンボリズムである。これがローマではディアナになり、英 語ではダイアナという発音になる。
エジプトでは月はトトである。神々の書記であり、故に全てを知る者。 メソポタミアのシンと同一起源と思われる。シンは時の神でもある。 月は時を図る重要なメジャーであった。ヨーロッパではトトはギリシャ のヘルメスと同一視され、ヘルメストトリゲスの名が生まれ、秘教の 教主とみなされた。
日本では月読命(つくよみのみこと)。この信仰には3系統あり、一つ は天照大神(あまてらすおおみかみ)の弟として伊勢神宮で祀られてい たもの。もうひとつは単に月の神としての信仰から出発したもので、山 形の月山がその一大中心地。そしてもうひとつは漁業の神として信仰さ れたもので月が潮の満ち引きと関わっていることから来ている。この 信仰のルーツは壱岐付近のようである。月読命自体は神話が皆無のよく 分からない神であるが、中世には武神として信仰された。