
カード各論(10)運命の輪, Wheel of Fortune, La Roue de Fortune



(YHVH,テトラグラマトン)が描かれている。
またカードの4隅に世界のカードと同様の黙示録の四獣(鷲・牛・獅子・
人間)が描かれていることもある。また輪の中央にも人物が描かれている
ものもある。
このカードは基本的には人生の大きな岐路があり、そこに自分が関わろう としているということを表す。したがって、そのままにしていれば運命に 流されるし、積極的選択をすれば運命を変えることができるのである。ま さに動くから「運」命というのであって、その人が元々持っている宿命と 運命は異なることを忘れていけない。しかし迷っていてはいけない。幸運 の女神は後ろ髪が無く、後ろはツルツルなのだそうである。チャンスと思 った時につかまえなければ、幸運の女神は逃げていき、追いかけてもつか まえることはできない。
回転するものといえば、まず時計である。このカード自体が時計のような デザインになっている。そして実際このカードは時の流れを表している。 人生には、時が解決してくれるのを待つしかないこともある。
回転するものといえば、宇宙である。原子核の回りを電子が回り、地球の 回りを月が回り、太陽の回りを地球や惑星が回り、銀河も回転する。
回転運動をその直交する方向に引き延ばすと、渦あるいは螺旋になる。こ れも宇宙の基本である。DNAは螺旋の形をし、銀河は渦の形である。文 明の発達の仕方もしばしば螺旋にたとえられる。
太古のインドにおいては神々が大きな亀に綱をかけて回転させ、渦の中か ら秘薬アムリタ(甘露)を得た。そしてそのあと、このアムリタをめぐっ て、デーヴァ族とアシュラ族の激しい戦いがおきる。曼陀羅というのも、 語源的にはアムリタなのだそうである。胎蔵曼陀羅には円的な構造がある。 そして金剛界曼陀羅には渦の構造がある。
小川未明の童話で回転する輪の出てくるものがある。その輪は死を表す。 私は子供の頃、しばしば回転する悪夢にうなされていた。新聞印刷用の長 いロール紙が坂道を永遠に転がっていくようなイメージ。その回転の数を 数えて999までいって恐くなってやめる。1000を数えたら死ぬような気が した。しかしやめても回転は止まらない。苦しくなって目を覚ますがこの 夢は目が覚めても終わらず頭の中で回転が続いている。熱にうなされた時 など丸い物を見たり坂道のイメージを思い浮かべるとこの夢が始まってし まうので、蛍光灯のランプを見ないように横を向いて寝ていた。
この夢を見ていたのは私だけではないらしい。少なくとも2人、この夢を 見ていた人を私は知っている。あの夢は何なのだろうか。。。