←→ カード各論(9)隠者, Hermit, L'Ermite
【一般的な絵柄】
杖とランプを持った老人。左に向かって歩いていることが 多い。ランプには星形の光が輝いていることがある。杖には(しばしば2 頭の)蛇が巻き付いていることがある。老人は長いひげをはやしている ことも多い。
【一般的な意味】
研究、探求、哲学、瞑想、修行、知識、陰遁、引退、孤独、 隠れ家、アジト、用心、愛人宅、秘密の交際、仕事部屋、勉強部屋、 禁欲的生活、倹約、忍耐、貧乏、不信、分析、外交。
【コメント・象徴探求】
ロシアの有名な美術館「エルミタージュ美術館」のЭрмитажという のは「隠者の庵」という意味です。英語でもこれはHermitage (ハーミテジ) といいます。 Hermitの語源はHermes(ヘルメス)です。ヘルメスはローマではメルクリウ ス(Merculius,英語読み:Mercury:マーキュリー)といい、神々の使者で記 録者。エジプトのトトと同一視され、記録者である故に世界の全ての物事 に通じていると考えられ、古代の秘教の教主とみなされました。その後の 神秘学においてもヘルメスは重視されていましたので、神秘学の探求をす る人をHermitと呼ぶようになったわけです。錬金術という意味のHermetic も同じ語源です。 カードの隠者が持っている杖にはしばしば2頭の蛇が螺旋状にからみつい ていますが、これは「ヘルメスの杖」或いは「カドゥケウス(caduceus)の 杖」と呼ばれています。この杖は元々は太陽神アポロンが持っていたもの ですが、ヘルメスが竪琴を発明してアポロンに贈ったのに感謝して、アポ ロンがヘルメスに与えました。後にはこの杖は神の使者の象徴となり全て の神の使者が同様の杖を持つことになりました。 隠者が左に向かっているのは意味のあることです。心理学的に左への進行 は心の深層へ向かっていることを表します。右への進行は外界に向かって います。夢などでも進行方向が右なのか左なのかによって、現在のその人 の心理的方向性が推察できます。隠者は世間から離れて真理の探求をしよ うとしてるので、左へ歩いていくのがふさわしいのです。

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