カード各論(5)法王, The Hierophant, Le Pape
【一般的な絵柄】
中央に座った法衣を付けた男性が十字架(パパル十字のも
のが多い)のついた杖を持っている。その前に二人の男性がひざまずいて
祝福を受けている。この構図が悪魔のカードと似ていることに注意された
い。法王と悪魔は物事の両面を表しているのである。タロットカードとい
うのは、実に用意周到なパズルになっている。
【一般的な意味】
宗教的名誉,信仰,従順,宗教的儀式(特に結婚式),法要,
神父・牧師・僧,墓参り,お寺への参拝,供養,縁(えにし),裁判官,教師,
同盟,良い知らせ,古い知識(いい意味でも悪い意味でも),時代遅れの人,
親切,余計な世話,性的不能
【他カードとの関係】
皇帝と法王はどちらも権威を表すが、皇帝は社会的権威、法王は宗教的権威である。
法王と女司祭はどちらも宗教者であるが、法王は社会的な制度内の宗教、女司祭は制度外の宗教である。
法王(5)と悪魔(15)は構図が似ているだけでなく意味も似ている。ただしベースとなる規範が法王は教典であり、悪魔は欲望である。この点は↓にも触れる。
【コメント】
絵柄の所でも書いたが、信じるということが法王の状態になっているか、
悪魔の状態になっているかは、その信じている人自身には分かりづらい。
しかしたとえ悪魔であってもその信仰が良い結果をもたらすことがある。
逆に良神でも、偏った信仰が不幸を呼ぶこともある。あるいは神という
ものはそもそも善悪を越えた存在なのかも知れない。
基本的にこのカードは宗教関係の象徴である。一般には社会的に権威づ
けられた信仰であって、権威づけられていない民俗信仰的なものは女司
祭長の担当である。つまり法王と女司祭長も対のカードである。そこで
「法王」を「司祭長」と呼ぶ場合もある。(英語だと Head Priest, High
Priest, Grandmasterなどなど) 又、世俗的な頂点が女帝・皇帝で、宗教
的頂点が女司祭長・法王であるという考え方も成り立つ。そういう意味
では2〜5のカードもワンセットを構成している。
このカードは宗教関係なので、儀式ということで結婚式や葬式を表すこ
ともある。恋愛関係でこのカードが出たら「結婚」或いは「相手の実家
への訪問」などと読むことができる。
【象徴探求】
この場を借りて、十字架のミニ知識を。タロットでもギリシャ十字法、
ケルト十字法、などの名前が出てくるが、十字架にも実に色々ある。
ギリシャ十字:縦と横の長さが同じもの
ラテン十字 :十字架の縦の棒の下が長いもの
パパル十字 :横棒が3本のもの。ローマ教皇の象徴。
ケルト十字 :十字架の交差部分に円が重なるもの。
アンク十字 :十字架の縦の棒の上に輪があるもの
十字架というとキリスト教の象徴ということに今日はなっているが、どう
もこの象徴は、キリスト教よりもかなり古いものであるようだ。
もっと多くの十字架の名称はこちら 。
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