甘く見てはいけない
下記は某パティオにこっそり書き込んだ記事である。
今日は若狭は名田庄村に来ています。
昨日能都町に着いた時は「わぁ涼しい!」と思いました。しかし今日は
やや暑かったようです。
のと鉄道で二両つないでいる場合、先頭車両しか冷房は入っていないような
感じでした。今日はそこから七尾線・北陸本線・小浜線と乗り継いだのですが、
この小浜線が同様でした。私はここもそうだとは思わなかったのでまた二両目
に乗って茹で上がっていました。
向かいの席に座ってた女の子などあまりの暑さにバテてしまったのか、おみあし
を座席の上に放りなげてダウンしてました。そちらを極力見ないようにして
おりましたが。
小浜が近くなって(ドアの開く)1両目に移動して「こちらは涼しかったのか!」
と気づきました。のと鉄道で学習して、最初から1両目に乗るべきでした。
小浜から乗った名田庄の井上(いがみ)行きバスの中が冷房のおかげで天国の
気分でした。
長くなってきたので続きはまた後で。
明日は私は福岡に戻ります。ではでは。
【まさか歩く羽目になるとは】
15日は名田庄の土御門遺跡、鵜の瀬、気比神宮と若狭の旅をしてきました。
さて先の書き込みをした時に滞在していた名田庄村三重の南川荘ですが、
純和風のなかなか素敵な造りでした。中庭があってお稲荷さんなど祭られて
いて、部屋は格子戸のむこうに襖があって仕切られています。
ちなみに食事は観光地ではないのでごく普通。晩ご飯はお刺身とトンカツと
おそば、朝ご飯は焼き鮭と味付け海苔でした。
あの書き込みをした後で、少し資料の確認などをして、それから24時すぎには
寝ようとしたのですが、どうにも寝付けませんでした。
虫さんたちが来るわ来るわ。
網戸がされているのですが、そんなに関係なく大量の虫が飛び回ります。畳の
上も蟻さんは通る、小さな羽根のついた虫さんは通る、ムカデも一匹つかまえ
ました。最後は親玉、やはりカナブンの登場です。リキッドのベープマットは
付いているのですが、効き目がなさそう。あるいは薬効切れか?結局寝たのは
4時でした。虫さんたちとの格闘を4時間もしていたことになる(-_-;
さて起きたのは6時頃。身支度を整えて、7時少し前に食堂に行きます。バス
は7:30くらい(後でバス停で見たら7:27だった)なのですが、乗る人がいない
バスはおそろしく早く来る可能性もあります。7:20には来るかも知れないと思い、
念のため7:15に来てもいいように7:10に宿を出ました。
結局バスが来たのは7:26。乗客は他に誰もいなかったので、途中で時間調整
などしてくれていたかも知れません。実際次のバス停でも3分止まって調整
していました。
さてJRバスが井上(いがみ)に着いたのが7:38。(本来は7:41着)
ところがそこに来ていると思っていた村営バスの姿が見えません。
『少し待ち時間があるのかな』
私はその時は自分のその先の運命を知る由もなく、時刻表がないだろうかと
思って、バス停の待合所の中に入りました(冬は雪が深いところなので各バス
停に屋根付きの待合室がある)。そして時刻表を見て絶句。
頼りにしていた7:46のバスは日祝運休だったのです。
日曜日にも運行されている最初のバスは何と14:36。6時間55分の待ち合わせ
です(^^;;
【歩く以外方法がないもんな.....】
この瞬間、私は歩くことを決断したのですが、念のため情報を確認すること
にしました。
実はこの旅を計画した時、南川荘の位置から納田終(のたおい)まで早朝に出て
歩いてもいいよな、と思っていたのでした。南川荘から納田終まではMapFanで
測ると12.4kmと表示されます。歩けば多分2時間半。6時に出れば8時半に着く
ので、早朝そうやって歩くのも気持ちいいかも知れないと思っていました。
しかし当日はパソコンと、昨年持ち帰り忘れてそのまま置いてもらっていた
MO、コード類、着替え、ペットボトル、など合計で20kgほどの荷物を持って
います。この荷物抱えて歩くのはきついだろうなと思ってバスを使うことに
していたのでした。
井上までは半分くらい来ているはずだから、歩こうと思えば充分歩けるはずと
いう判断がありました。いそいで日陰にはいってパソコンのフタを開け、電子
地図を開きます。あいにく、持参したマシンにはMapFanではなく、それより
ずっと使いにくいゼンリンの電子地図が入っていたのですが無いよりはずっと
マシ。それで井上から納田終までの距離を見ると、直線で5kmくらい、みちのり
でおそらくは6〜7kmと判断しました。この付近に厳しい坂などは無いことは
確認済みでしたので、よし行くぞ、とパソコンを閉じて立ち上がりました。
すると私が歩き始めるのとほぼ同時に乗ってきたバスが小浜に向けて出発しました。
私が困っているふうに見えて、私がどうするつもりか、或いはこのまま乗って
帰るか見極めていてくれたのかも知れません。感謝。
そして歩きはじめてから2分もたたない内に、私は電話ボックスがあるのを
見つけました。
実はタクシーを呼ぶこともチラっと頭をかすめたのですが、この近くのタクシー
会社なんて調べていなかったので、その線は消していたのでした。すぐに中に
おいてあるタウンページをめくります。
『こんな小さな村にタクシーなんて走ってるかしら』
私は若干疑問を覚えながらもページを開いたところ、名田庄で1件記載が
ありました。あった!!
とても感動した瞬間でした。私はすぐさまその番号をダイヤルしました。
【期待したものが無になる時】
電話をすると、むこうは「はい」としか答えません。田舎のタクシーなんて
そんなものかなと思いつつ「えっとタクシーさんですよね」と確認して「今
井上のバス停から少し納田終に向けて来た所の電話ボックスのところにいるの
ですが」と言いますと「じゃ、そちらへ向かいますので20〜30分ほど
待っていてください」と言います。
20〜30分????
「あの〜、どこか遠い所に出ておられるんですか?」
「うちは小浜なんですよ」
「え〜!?」
「そうそう、どちらへ行かれるんでしたっけ?」
「えっと、納田終の暦会館という所まで行きたいんですけど」
「ちょっと待ってください」
(地図をめくる音)そしてしばらくしてからとても申し訳なさそうな声で
「いや〜そのですね」と凄く言いにくそう。
「小浜からそちらまで行きますと、ちょっと割が合わなくてですね」
それはそうだろう。小浜から井上までほとんど乗降客の無いバスが40分かかる
のだからタクシーだってやはり30分はかかるはず。しかし井上から納田終まで
はタクシーなら多分6〜7分で着くだろう。あまりにも気の毒だ。そもそもこちら
もこんな日陰も無い場所で30分も待っていたくない。
30分あれば行程の半分近く行けるはず。
「澄みません。距離にしてたぶん6〜7kmだと思うので歩きますので」
「そうですか、すみません」
とタクシーの人はほっとしたような声で電話を切った。
あのタクシーが名田庄に掲載されているのは、きっと名田庄で車を持ってない
お年寄りとかが小浜に買い物に出る時に往復で使うことがあるためではなかろう
か、と勝手に推測。
私は気を取り直して歩き始めた。しかし一瞬期待したものが指の間からこぼれ
落ちていく感覚は、とても嫌だ。
【まぁ昔の人は歩いたんだし】
名田庄はどこにあるかというと、福井県遠敷(おにゅう)郡です。
実は遠敷郡にあるというのを知ったのは14日夜の書き込みをしたあと、電子地図
をめくっていた時でした。MapFanの住所検索は「県名→市町村名」に並んでいる
ので探しやすいのだがゼンリンの電子地図は「県名→市郡名→町村名」となって
いる。そのため、名田庄村を探すのに苦労していて、その時にここが遠敷郡で
あることを知ったのでした。
遠敷!! それは鵜の瀬のある所ではないのか??
私は慌てて、鵜の瀬の場所を確認したのでした。すると、鵜の瀬は小浜市内の
遠敷地区にあるということが分かりました。
小浜に北川・南川というふたつの川が流れています。名田庄はこのうち南川の
流域に発達した村で、私が泊まった南川荘というのも、この名前をとっている
わけですね。
鵜の瀬は北川の支流である遠敷川の流域にあります。ここへの交通が存在しない
のは承知していたので、15日は午後からタクシーを使って鵜の瀬に回ろうと急遽
決めました。
時刻を見てみると、井上発12:01の小浜行きのバスがあり、それが多分12:40頃に
小浜に着く。そして小浜から敦賀に戻る汽車はどっちみち15:08まで無いので、
その間2時間半あればタクシーを使えば充分鵜の瀬まで往復できるはず。どうせ
タクシーを使うなら小浜市内でも知る人が少ないらしい八百姫神社にも寄って
いこうということでスラスラと計画が立ちました。
八百姫は九州の宗像からやって来たお姫様らしいのですが、後世名前がこの地の
有名人である八百比丘尼と混同されて、ここを八百比丘尼が祭られている神社と
勘違いしている人も多いそうです。しかしどっちにしろこの神社は知る人が
少ないらしく、実際あとで小浜駅前で乗ったタクシーの運転手さんも無線で位置
を尋ねていました。私は地元の人が作ったホームページに掲載されていた地図を
パソコンに入れて行っていたので、それを運転手さんに見せて、それとタクシー
会社からの情報とで、場所が確認できました。
さて、その話は後にして、とにかく12:01まで(次のバスは1454)に戻るには、この
道のりを1時間半で歩いたとして、8:00に出発して納田終到着が9:30、帰りは10:30
前に出発すれば12時前に到着できる計算になります。納田終で1時間あればおそらく
大丈夫だろうと計算しました。
歩き始める段階で背中の荷物を調整しました。いつもはパソコンを外部からの
衝撃から守るためにいちばん背中に近い位置・内側に入れているのですが、それ
では汗で濡れてしまいます。そこで内側に昨日着た着替えと用意していたペット
ボトルを入れ、その外側にパソコンを入れました。
しかし田舎のバスのバス停の間隔は長い。記録を見るとこうなっています。
井上 7:46-7:50
佐野 805
朝比 818
坂本 830
横折 837
仁井 849
13分とか12分とかバス停間にかかっている場所がありますが実際問題として
その間には何も民家がありません(^^; 必要ないんですね。歩けども歩けども
次のバス停が見えてこない感じでした。
この仁井で、その時は「ここで道半ばくらいか」と思ったので5分休憩しまして、
半分に1時間かかったということはやはり2時間かかるか。仕方ない。鵜の瀬は
ギブアップだ、と思ったのですが、この仁井のすぐ先に土御門遺跡がありました(^^;;
そしてそこを40分ほど掛けてみた後、目の前に白矢のバス停があるのを見つけ
ました。さらに白矢のバス停からカーブをひとつ曲がると小和田バス停で、
その先に暦会館がありました(^^;;
結局、仁井・白矢・小和田・流星館の各バス停の距離はほとんど町中並みの近さ
だったことになります。結果的には片道1時間15分で歩いたことになり、土御門
遺跡で40分と、暦会館で40分くらい使うことができました。
【素晴らしい鵜の瀬】
鵜の瀬は東大寺のお水取りに使う「お水送り」の聖地です。
遠敷(おにゅう)川沿いに、まず市街地からすぐのところに若狭姫神社があり、
その上流に若狭彦神社、その上流に神宮寺、そしてその上流に鵜の瀬があります。
出来た順番からいえば、東大寺の初代別当である良便大僧正がこの地の出身で、
水の里である鵜の瀬と東大寺にラインを形成し、その鵜の瀬の白石神社の神を
少し下った位置に勧請して若狭彦神社を作り、さらにそこからもっと下った
位置に里宮として若狭姫神社を作ったものです。時代的には上から順に下がって
きていることになります。実際にお水送りをするのは若狭彦神社と鵜の瀬の中間
くらいにある神宮寺です。
若狭姫神社は大きな神社で千年杉などというのが拝殿の横にあります。神社辞典
によれば721年の創始となっているのでその頃植えた杉なのかも知れません。
(できた時代とは逆に神社の規模は上流に行くほど小さくなっています。鵜の瀬
の白石神社はほんとに小さい。しかし苔むしていい感じの狛犬ちゃんがいました)
鵜の瀬は夏なのでこどもたちがたくさん水浴びして遊んでいました。その一角の
向こう岸にすこしくぼんだ地帯がありその右端のところが実際にお水送りで閼伽
(aqua)を流す所なのだそうですが、その左端のところに小さな渦を巻いている
ところがあり、そこが地下水道の入口なのだそうです。
この鵜の瀬と東大寺は同じ子午線上にありまして、この地下水道も実際に東大寺
の閼伽井屋につながつていると言われており、以前鵜の瀬から籾殻を流してみたら
1年後に東大寺の方で出てきたそうです。
東大寺の閼伽井屋は非公開で一般の人が立ち入ることはできませんし、このお水も
希望者がおおいため、お水取りの時しか頂けないそうですが、この神宮寺の若水は
実際にいつでもいただくことができます。
ひとくち飲んでみましたが、鉱泉という感じ。いいお味がしました(そんなに
苦くないです)。
鵜の瀬は雨が近いせいで(実際小浜線に乗ってからすぐに雨が降り出した。山の上
の方は早めに降り出していたのかも)にごっていましたが、若狭彦神社の手水、
神宮寺の入口の所の湧水は冷たくて、とてもおいしかったです。(どちらも味のない
純粋な水という感じ)
なお鵜の瀬ですが、お水送りの当日は臨時バスが運行されるのだそうです。見に
行かれる場合は、お水取りと同様、焼けコゲができても構わない服を着ていきま
しょう(^^)冬なので時々、素敵なコートとかカシミヤのセーターを着た人がタク
シーに乗ってくるそうですが(^^; 運転手さんが「お客さん、その服はやめといた
ほうがいい」と忠告するそうです。
さて、小浜駅前に戻ったのが13時半くらいでした。八百姫神社にも行ってるし、
各神社でたくさん写真を撮ったりメモをしたりしていたので1時間かかっています
が、普通に鵜の瀬方面だけ見てまわるのには30分もあれば大丈夫と思います。
タクシー代も5000円程度で済むのではないでしょうか(私は8150円だった)
小浜の西友で遅いお昼ご飯を食べてから、着替えのストックが尽きたのでそれも
買ってから小浜駅に戻り、敦賀行きの汽車に乗ったのですが、これに乗っていた、
何とか歩こう会とかいう団体さんがマナーが悪かった。大声でしゃべっていて、
うるさいし年寄りが席を探していても誰も譲ろうとしないし。結局この団体さん
は敦賀まで乗って、福井方面の汽車に乗り継いでいました。
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