太極から両儀へ。
最初宇宙は混沌でした。そこに神様が「光あれ」といったら光ができました。光ができると同時に影が出来ました。
光と影は双対の存在です。光がなければ影はなく、影がなければ光を見ることはできません。
このように互いに対になったものを中国では「陰」と「陽」と呼び分けました。
陽 | 光 | 剛 | 日 | 男 | 天 | 夏 | 火 | 初 | 奇数 | 昼 | 明 | 表 | 体 | 出 | 南 |
陰 | 影 | 柔 | 月 | 女 | 地 | 冬 | 水 | 終 | 偶数 | 夜 | 暗 | 裏 | 心 | 入 | 北 |
この陰を、陽を
という記号で表し、これを両儀といいます。
両儀から四象へ。
さて、昼にも暗い場所はあり、夜にも明るい場所はあります。夏でも涼しい日はあり、冬でも暖かい日はあります。このように2分割したものが更に陰陽分かれるケースは多々あるものです。
そこで両儀がさらに四象に分割されるのです。
老陽 陽の中の陽
少陰 陽の中の陰
少陽 陰の中の陽
老陰 陰の中の陰
四象から八卦へ。
四象は更にまた細かく陰陽に分けられます。これを八卦と呼びます。
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八卦には左のような名前が付いており、各々このような意味が付加されています。そして八卦は通常この順番に呼ばれます。 なお、八卦は一般に「はっけ」と読まれていますが、易の専門家同士では通常「はっか」と読んでいます。英語では eight trigram です。
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八卦から六十四卦へ。
八卦だけでもかなり宇宙の様々な物事を象徴することができるのですが、それだけではまだまだ精度に問題があります。そこで、易では通常、この八卦を2つ組み合わせて8×8=64にして使います。これを大成卦と呼びます。英語では hexagram です。大成卦に対して八卦の方は小成卦と呼びます。
大成卦の名前は次のようになります。
下\上 | ![]() |
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01 乾 | 43 夬 | 14大有 | 34大壮 | 09小畜 | 05 需 | 26大畜 | 11 泰 |
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10 履 | 58 兌 | 38 ![]() |
54帰妹 | 61中孚 | 60 節 | 41 損 | 19 臨 |
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13同人 | 49 革 | 30 離 | 55 豊 | 37家人 | 63既済 | 22 賁 | 36明夷 |
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25无妄 | 17 随 | 21![]() |
51 震 | 42 益 | 03 屯 | 27 頤 | 24 復 |
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44 ![]() |
28大過 | 50 鼎 | 32 恒 | 57 巽 | 48 井 | 18 蠱 | 46 升 |
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06 訟 | 47 困 | 64未済 | 40 解 | 59 渙 | 29 坎 | 04 蒙 | 07 師 |
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33 遯 | 31 咸 | 56 旅 | 62小過 | 53 漸 | 39 蹇 | 52 艮 | 15 謙 |
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12 否 | 45 萃 | 35 晋 | 16 豫 | 20 観 | 08 比 | 23 剥 | 02 坤 |
大成卦の名前は詳しくは「火天大有」のような言い方をします。ここで大有というのはという卦ですが、上の3本だけ見ると火(
)、下3本だけ見ると天(
)になっています。そこで火という卦の下に天という卦があると考えて、このように呼ぶ訳です。
この時、上の3本が作る小成卦を上卦または外卦、下の3本が作る小成卦を下卦または内卦と呼びます。
なお、上記の表に付している番号は、易の原典である「易経」上の卦の順番です。
三百八十四爻
さて、この64卦を更に重ねることは通常行いません。その昔(ほんとにとっても昔です)64×64=4096の大大成卦を作った人もいますが、やはり数が多すぎて、はやりませんでした。
その代わり通常はこの64卦を作る1本1本の線に注目します。
大成卦をつくる6本の線の各々のことを「爻(こう)」と呼びます。爻は64卦×6=384本です。を陰爻、
を陽爻と呼びます。
この爻の使い方については、次の稿に譲ります。