軌道関連の点

軌道関連の点をあげておく。

【春秋分点】
これは黄道(地球の公転面)と赤道(地球の自転面)の交点のことである。ここにある天体は真東から昇り、真西に沈む。太陽が春に通過するほうを春分点(spring equinox)、秋に通過するほうを秋分点(autumn equinox)という。

春分点はおひつじ0度の起点である。

【龍頭・龍尾】Dragon Head, Dragon Tail
月関連の計算点として特に重要なのは龍頭(Dragon Head)と龍尾(Dragon Tail)である。

これは黄道と白道の交点であり、一般に昇交点・降交点と呼ばれる。このポイントの重要性は日食・月食にこの点が絡むからである。

日食は太陽−月−地球が一直線に並ぶ現象である。この時は月が太陽を覆い隠してしまう。月から見ると地球食が起きている。月食は太陽−地球−月が一直線に並ぶ現象である。地球の影が月の表面に落ちて月の輝きが消える。この時月のその影の部分では日食が起きている。

これらの現象は、太陽の見える方位と月の見える方位とが重なる時に起きるが普段は太陽の通り道である黄道と月の通り道である白道は離れているので、同じ方向角であっても実際には重ならない。ところが黄道と白道の交点付近では両者が重なり合うことになる。つまり黄道と白道の交点付近に太陽と月がある時に、日食・月食は起きるのである。

昔の人はこの時、天の龍が太陽や月を呑み込むとして、ドラゴンヘッド(龍頭)・ドラゴンテール(龍尾)という名前を付けた。あるいは黄色い(見えない)旗がそこにあって太陽や月を隠してしまうのだといって黄幡と呼んだ。過去にいろいろな名前が付けられているが整理すると次のようになる。ただしこの名前は時代によって混乱して逆になっているものもある。

 昇交点 Ascending Node = 正交 = 北節 North Node = 計都 = 龍頭 Dragon Head
 降交点 Descending Node = 中交 = 南節 South Node = 黄幡 = 龍尾 Dragon Tail

最近の占星術上の解釈ではドラゴンはカルマを表すとされる。ドラゴンヘッドが前世でもらいそこねた福をあらわし、ドラゴンテイルは前世でし残した義務を表すとされる。

【リリス】Lilith
リリスと呼ばれるものはひじょうに多数あるのだが、だいたい次の4つが普通整理されている。

小惑星Lilith小惑星番号1181。11.5等なのでだいたい直径20kmくらい。軌道長半径 2.6638664 メイン小惑星帯に属する小惑星。基本的にこの天体に占星術師はあまり興味はない。M. Kelley Hunterはこの小惑星は女性の心の闇の部分を表すと言っている。
Black Moon Lilith月の遠地点(Apogee of the Moon)。これが最もよく使用されるリリスである。月の軌道は離心率が0.0548799なので、近地点(perigee)と遠地点(apogee)の比は1.116倍(状況次第では最大1.14倍までいく)あることになる。つまり遠地点にある月は近地点にある月より1割以上も小さく見えるのである。月とリリスが重なる場合、まさに月(妻)の働きが阻害されて、リリス(愛人)の働きが活発になることになる。
また天文学的に見て、遠地点方向というのはつまり月の軌道の中心点ということでもある。従ってリリスは月があらわす女性性のより深層の部分を表すと考えられるのである。
Lagrange Pointラグランジュ点というのは三体問題が解決する特殊なポイントで、惑星や衛星の軌道の60度前後に重力のバランスが取れる場所がある。木星のラグランジュ点にはトロヤ小惑星群があるし、土星の衛星Dione(半径560km)には同じ軌道を共有するラグランジュ衛星Helene(半径16km)が付随している。つまり同様にして、月のラグランジュ点に何か物質があってもよいはずだという考えがあり、これこそが「第二の月」なのではないかという説がある。実際このポイントには物体が観測されたことがあるが、継続的に見られていないので、一時的に物質が集まっても何らかの原因(近くを通過する小惑星などの重力の影響)で飛散してしまったのではないかと思われる。しかしまたそこに物質が集まる可能性はある。
Dark Moon Lilithこれが昔から何度も話題になっているものの、実態が分からない存在である。この天体(?)に関しては、秋月さやか「前世を知るリリト占星術」が詳しい。この本では面倒な議論を避けるために、これは「想像上の天体」と言い切ってしまっている。
この「天体を発見」したのは1898年のGeorg Waltemath で、地球から103万kmの距離にあり直径700km(!!)、公転周期119日、会合周期177日であると発表した。彼は1898年2月2〜4日にこの天体が太陽面を通過すると予測計算し、彼の友人達が実際に太陽を観測して黒いものが横切るのを見たが.....天文台の観測によればこの時太陽面を横切った黒いものとは、実は太陽の黒点であった。それ以降この「天体」について天文学者は興味を失ってしまったが、占星術師の中には熱心にこの「天体」について研究を続けている人たちもいる。しかし多くの占星術師の考え方はこれは「計算上のポイント」というものである。
ちなみに、103万kmの距離に直径700kmもの天体があったら、計算上「満月」の時にはマイナス8等星程度の輝きがあることになり、そんなとんでもなく明るい天体に誰も気付かない訳がない。Waltemathもいったいどういう計算をしてそういう数値を出したのか理解に苦しむ。



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