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天体計算の基礎(4)
第4章 その他の占星術上の値について
【アスペクト】
アスペクト(座相)は感受点間が取る角度のことである。通常はこれを黄経差で
計算している。いわば、各感受点を黄道面(地球の公転軌道面)内で見たときの
各々が作る角度といえる。
2つの感受点の黄経をλ1, λ2 とするとき、|λ1 - λ2| を計算し、もし180度
を越えたら、360度からその値を差し引けば、アスペクトは求められる。
もうひとつの考え方は、天球上での実際の角距離で考える考え方である。これは
コンピュータがあってはじめて処理できる数量と言ってもよいだろう。手計算で
は、これはなかなかキツイものがある。
2つの感受点の位置を(λ1, β1), (λ2, β2) とする時、その天球上の角度Aは
余弦法則により、
cos(A) = sin(β1)・sin(β2) + cos(β1)・cos(β2)・cos(λ1 - λ2)
で求められる。(A=0゜〜180゜として求めればよい)
今回のプログラムでは、アスペクトは黄経差だけをサポートしている。
【占星学上重要なアスペクト】
感受点同士がある一定の角度をなす場合を占星学上では重要視する。その角度には
次のようなものがある。
(1)第1種アスペクト
0゜ = conjunction コンジャンクション (合)
180゜ = opposition オポジッション (衝,略してオポ)
120゜ = trine トライン
90゜ = square スクェア
60゜ = sextile セクスタイル (略してセクス)
(2)第2種アスペクト
30゜ = semi-sextile セミ・セクスタイル
45゜ = semi-square セミ・スクェア
150゜ = quincunx クィンカンクス (enconjunct,inconjunct インコンジャンクト)
36゜ = semi-quitile セミ・クィンタイル (desile デザイル)
(3)第3種アスペクト
72゜ = quitile クィンタイル
144゜ = bi-quitile バイ・クィンタイル (略してバイキン)
135゜ = sesquiquadrate セスキコードレイト (sesqui-square セスキ・スクェア)
(360/7)゜= sephariel セファリエル (septile セプタイル)
40゜ = nonagon ノナゴン
【オーブ】
上記で述べたアスペクトは必ずしも正確に成り立たなければならない訳ではなく
多少の許容範囲がある。これをオーブ(orb,球の意味)という。
オーブを幾らにするかは、各占者の考え次第である。一般には第1種で5〜8度
程度、第2種で2〜4度、第3種で1度くらいとされる。なお、オーブ内でも
特に小さい範囲に入っている場合はアスペクトの力が強いものと考えられので
その場合、タイトなアスペクトを持つという。どのくらいでタイトかというのも
占者の考え方に依存する部分が大きい。
(なのに何故このプログラムはオーブが設定できないんだ??)
なお、オーブは接近の場合と分離の場合で異なるという考え方もある。接近の
場合の方が一般に厳しくなる。それは惑星の影響は「すぐには現れない」と
いう考え方に基づく。(接近とは、これから次第に正確な角度へ向いつつある
状態。分離は逆に崩れて来た状態)
なお、アスペクトを見る場合に、後述するプログレスの天体と出生(ネイタル)
の天体とのアスペクトについては、プログレスの天体の進行速度が遅いので、
オーブはかなり厳しく(1度以内?)見る必要があるであろう。
逆にハーモを見る時などは誤差が拡大している可能性があるので、やや緩めに
拾ってやった方が良いと思う。同様の考え方で、月のオーブは緩めに設定する
という人もある。
(となってくると現行のプログラムの一律的なオーブの持ち方には問題が多い
ようである。→多分この点まで含めて、後で大改訂になるでしょう。)
【3つ以上の感受点が作るアスペクト】
前々項で紹介したアスペクトは2つの感受点があれば構成できる角度であるが
3つ以上の感受点で初めて構成されるアスペクトもある。
(1)グランド・トライン(GT)
3つの感受点が互いにトライン(120゜)の関係にある場合をいう。この3つの
感受点は多くの場合同じエレメント(4区分,*1)にある。そこでグランド
トラインはそのエレメントの名前をとって、火のグランドトライン、地の
グランドトライン、風のグランドトライン、水のグランドトラインと分類
される。
(*1) 火のエレメント=牡羊・獅子・射手
地のエレメント=牡牛・乙女・山羊
風のエレメント=双子・天秤・水瓶
水のエレメント= 蟹 ・ 蠍 ・ 魚
(2)グランドクロス(GC)
4つの感受点が隣同士はスクェア(90゜)、向い同士はオポジション(180゜)
になっている状態を言う。この4つの感受点は多くの場合同じクォリティ
(3区分,*1)にある。そこでグランドクロスは活動のグランドクロス、
不動のグランドクロス、柔軟のグランドクロスと分類される。
(*1) 活動のクォリティ(カーディナル)=牡羊・蟹・天秤・山羊
不動のクォリティ(フィクスド) =牡牛・獅子・蠍・水瓶
柔軟のクォリティ(ミュータブル)=双子・乙女・射手・魚
(3)T字スクェア
2つの感受点がオポジション(180゜)で、もうひとつの感受点が両者に対して
スクェア(90゜)である状態。
(4)ヨド
2つの感受点がセクスタイル(60゜)で、もうひとつの感受点が両者に対して
インコンジャンクト(150゜)である状態。
なお、2つの感受点がセクスタイル(60゜)で、もうひとつの感受点が両者に
対してセミセクスタイル(30゜)である状態をセミ・ヨドと言って、ヨドに準
じて考える。
(5)調停
2つの感受点がオポジション(180゜)で、もうひとつの感受点が一方とトライン
(120゜)、他方とセクスタイル(60゜)の角度を作る状態。
なお、このようなアスペクトは出生チャートで現れるだけでなく、出生の天体と
進行や経過の天体が形成することもあるから注意が必要である。
【ハーモニクス】
ハーモニクス(調波)は各惑星の位置に一定の整数を掛けてホロスコープを作成
する考え方である。例えばハーモニクス7(HN7)では、通常のホロスコープで天秤
座11.87度にある太陽は、191.87 × 7 = 1343.09 = 263.09 (mod 360) で射手座
23.09度に来る。この手法を紹介したのは John M. Addey である。
ハーモニクスを計算する場合、元の出生データに誤差があればそれが掛け算により
拡大するので、利用にあたっては十分注意すること。
ハーモニクスで重要なものは、1桁の数字(特に5・7・8)のハーモと、その
人の年齢数のハーモである。
ハーモニクスについては、松村潔氏の「ハーモニクス占星術」(学研)が詳しい。
【分割調波】
これも一種のハーモニクスであるが、掛けるのは整数ではない。例えば太陽の
分割調波という場合、1.0 + 太陽度数/360.0 を全惑星の度数に掛ける。
従って、太陽がもし天秤11.87度、月が蟹6.85度にあった場合、太陽分割の数は
1.0 + 191.87/360.0 = 1.532972 になるので、太陽分割の太陽は 191.87 ×
1.532972 = 294.13, 太陽分割の月は 96.85 × 1.532972 = 148.47 となり、
各々山羊24.13度、獅子28.47 に来る。
同様に月分割、水星分割、金星分割、etc. が考えられる。この手法は石川源晃氏
が考案した。
【ハーフサム】
ハーフサム(Half-sum,=ミッドポイント-Mid point)とは、その名の通り2つの
感受点の中点の事である。例えば太陽が天秤11.87度、月が蟹6.85度にある場合、
その中点は獅子24.36度に来る。これを太陽と月のハーフサムの軸といい、太陽/月
で表す。更に、ここから45度毎の点もやはり太陽/月の軸という。(ハーモで
いうと、HN=8を考えていることに相当する。)
この例では、太陽/月の軸は獅子24.36、天秤9.36、蠍24.36、山羊9.36、水瓶24.36、
牡羊9.36、牡牛24.36、蟹9.36 の8箇所にできる。
この軸から1〜2度くらいの範囲に別の感受点があると(軸に接触するという)、
その3つが合になっているようなイメージの象意が発生する。
この方法はドイツの Reinhold Ebertin(1901-1988) によって導入された。
【サビアン】
サビアンは黄道の1周を360等分したものであり、各度数域に各々のサビアン
シンボルが割り当てられている。サビアンについて詳しい本で入手しやすいもの
として、松村潔氏の「神秘のサビアン占星術」(学研)があるが、本プログラム
で出てきた数字を見てこの本を引く場合には、小数点以下を切捨てた上で1加える
という操作が必要である。
これは0.00〜0.99度の範囲を度数域としての1度の範囲として定義している為である。
【トランジットについて】
普通一般にホロスコープと呼ばれているものは出生時のホロスコープ(ネイタル
チャート)であるが、実際の占断では現在の天体の配置や次項で説明する人間の
内面で進行している天体の配置も考慮する。
トランジット(経過)とは、その現在の天体の配置のことである。なお、トラン
ジットの解釈の仕方を初心者向けに分かり易く書いた本として、ルル・ラブァ氏
の「アスペクト占星術」(学研)がある。
【プログレスの計算】
プログレス(進行)は生まれた時の天体の位置が、その人の内面において一定の
速度で運行して行くと考えたものである。この速度については、つぎのような
計算方法がある。
(1)1日1年法(daily system)
物理的な1年の経過により、内面的には1日分天体が移動すると考える
考え方。例えば、1958年10月6日0:05生まれの人の30歳の誕生日のトラン
ジットを計算するには、1958年10月6日0:05から30日たった1958年11月5日
0:05の天体位置を求めればよい。
この方法の根拠は、聖書に「1日が1年に相当する」という記述が多数
見られる為、とか、地球の公転という大きな周期と自転という小さな
周期が、マクロコスモスとミクロコスモスの関係を象徴している為とか
言われる。
この方法を世に広めたのはAlan Leo(1860-1917)である。
(2)1度1年法(one degree system)
物理的な1年の経過により、内面的には角度にして1度天体が移動すると
考える考え方。1日1年法では遠距離の惑星が殆ど移動しないが、この方法
では結構移動するのが特徴である。計算方法は自明である。
(3)ソーラーアーク法(Solar Arc system)
物理的な1年の経過について、太陽のみ1日分で計算し、他の惑星は太陽
の移動度数を加える方法。太陽の1日の移動度数は平均すると約1度弱に
なるので、この結果は1度1年法と大変近い値になる。
(4)コンポジット法(composite progress system)
太陽・月・水星・金星については1年1日法で計算し、火星以遠の惑星に
ついては、太陽の移動度数を加える方法。
※ 逆方向のプログレス
上記で示したのは全て生まれた日のチャートから未来へ向って星を進めて
行く方法であるが、逆に同じ手順で過去に遡って行った配置も考慮される
ことがあり、これを逆方向のプログレス(ミラー)という。

