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第1章 基本的なこと

【角度とラジアン】
角度を計る単位として一般によく使わりるのは度(degree)という単位である。
これは一周を360度として、定義される。

数学的な処理では、この他にラジアン(radian,弧度)というものを使う。これは
半径1の円弧の長さで角度を表現するものである。半径1の円の円周は2πで
あるから、1周は2πradになる。

両者の関係は、定義より明かに、360度=2πrad   ∴ 180度=πrad
よって、度をラジアンに換算するには、π/180=0.0174532925199433 を掛ける。
逆に、 ラジアンを度に換算するには、180/π=57.29577951308232  を掛ける。

なお、πの詳しい値は 3.1415926535897932384626433832795028841971.....である。
(いくら何でも、こんなには要らないか...)ちなみにこれは「産医師異国に向こう。
産後厄無く産婦御社に。虫散々闇に鳴く。これには速よう行くない。」と覚えられる。
(この先もあるが何故か突然ローカルな地名が出てくるので全国ネットには不向きか)


【三角関数とは】
原点(0,0)を中心とし、半径1の円を描く。この時、円周上の点で、点(1,0)から
反時計回りに計った角度がθの点を(x,y)とする。

この時、sin(θ)=y  , cos(θ)=x  , tan(θ)=y/x,
        cot(θ)=x/y, sec(θ)=1/x, csc(θ)=1/y  と定義される。

一般に、原点(0,0)を中心とし、半径rの円を描き、この円周上の点で、点(r,0)から
反時計回りに計った角度がθの点を(x,y)とすると、

    sin(θ)=y/r, cos(θ)=x/r, tan(θ)=y/x,
        cot(θ)=x/y, sec(θ)=r/x, csc(θ)=r/y  が成り立つ。

また、(x,y)が円上の点であることに注意すれば、x^2 + y^2 = r^2。
これより、sin(θ)^2 + cos(θ)^2 = 1 である。

定義より明かに、sin(θ+2π)=sin(θ), cos(θ+2π)=cos(θ), etc.

三角関数の逆関数は、普通 arcsin(w), arccos(w), arctan(w), etc. のように
書く。これは実際には多数の解を持つ多値関数である。これは、1つの解から、
次のような一般解が得られる。

 u = arcsin(w) → 2nπ+u, (2n+1)π-u も解。
 u = arccos(w) → 2nπ+u, 2nπ-u も解。
 u = arctan(w) → nπ+u も解。        (ここで n は任意の整数)

そこで通常はこれらの解の内の代表値を問題にする。代表値の取り方は次のように
取る方法が一般的である。
  arcsin の場合、-π/2 〜 π/2 の範囲
  arccos の場合、0 〜 π の範囲
  arctan の場合、-π/2 〜 π/2 の範囲

コンピュータ言語では、多くの場合この代表値を asin, acos, atan という関数で
求めることができる。

ところで、rとθが分かれば、x=rcos(θ), y=rsin(θ) で(x,y)を求める事ができる。
また逆に、xとy からも r とθが求められる。r はr=sqrt(x^2 + y^2)で出てくるが
θの算出はやや面倒である。これを普通 atan2(y, x) と書く。(言語処理系によっ
てはxとyの順序が逆のものもあるので、注意すること)

なお、atan2 の一般解は、代表値 u から 2nπ+u で求められるが、代表値の取り方
は -π〜π という流儀と、0〜2πという流儀がほぼ半々のようである。以下の説明
及び、本プログラムは 0〜2π の立場を取っているが、 -π〜π の処理系でも動作
するように判断を挿入している。

さて、(x,y)も(r,θ)も1つの点を表す表現ということができる。そこで(x,y)を
直交座標による表現、(r,θ)を極座標による表現という。r はしばしば動径と
呼ばれる。


【一般の三角関数の公式】

sin(-x) = -sin(x), sin(π/2-x) =  cos(x), sin(π-x) =  sin(x),
cos(-x) =  cos(x), cos(π/2-x) =  sin(x), cos(π-x) = -cos(x),
                   sin(π/2+x) =  cos(x), sin(π+x) = -sin(x),
                   cos(π/2+x) = -sin(x), cos(π+x) = -cos(x),

sin(x)^2 + cos(x)^2 = 1

加算公式
sin(x+y) = sin(x)cos(y)+cos(x)sin(y),
cos(x+y) = cos(x)cos(y)-sin(x)sin(y),

積和公式
2sin(x)cos(y) =  sin(x+y) + sin(x-y),
2cos(x)sin(y) =  sin(x+y) - sin(x-y),
2cos(x)cos(y) =  cos(x+y) + cos(x-y),
2sin(x)sin(y) = -cos(x+y) + cos(x-y),

和積公式
sin(x)+sin(y) =  2sin( (x+y)/2 ) ・ cos( (x-y)/2 ),
sin(x)-sin(y) =  2cos( (x+y)/2 ) ・ sin( (x-y)/2 ),
cos(x)+cos(y) =  2cos( (x+y)/2 ) ・ cos( (x-y)/2 ),
cos(x)-cos(y) = -2sin( (x+y)/2 ) ・ sin( (x-y)/2 ),

倍角公式
sin(2x) = 2sin(x)cos(x), 
cos(2x) = cos(x)^2 - sin(x)^2 = 2cos(x)^2 - 1 = 1 - 2sin(x)^2

半角公式
sin(x/2)^2 = ( 1-cos(x) )/2,
cos(x/2)^2 = ( 1+cos(x) )/2

【球面三角法】
球面において平面の直線に相当するものは大円(great circle)である。これは球の
中心を通過する平面と球との交わりであり、2つの異なる大円は必ず対称な位置に
ある2点で交わる。2つの大円の為す角度とは、交点における各大円を含む平面が
為す角度である。また、大円上の2点の距離とは、球の中心から2点を見たときに
開いた角度である。従って球面に出来た三角形では、角・辺の長さ共に角度の単位
で表現される。

球面の三角形ABCの内角をa,b,c, 対辺をα,β,γとするとき、次のような関係が
成立する。

sin(a):sin(b):sin(c) = sin(α):sin(β):sin(γ)         正弦公式
cos(a)  =  cos(b)cos(c)   + sin(b)sin(c)cos(α),etc.   余弦公式
cos(α) = -cos(β)cos(γ) + sin(β)sin(γ)cos(a),etc.     〃
sin(a)cos(β) = cos(b)sin(c) - sin(b)cos(c)cos(α),etc. 正弦余弦公式



(1993-2-20)

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