西洋占星とは

西洋占星とは

古代、どこの国でも人々は夜星空を眺めていました。すると、その星空にいろいろな現象が起きることを知ります。

流れ星があります。まれには彗星(ほうき星)が出現することもあります。新星が現れることもあります。そしてなによりも、水星・金星・火星・木星・土星という、他の星とはずいぶん違う動きをする星があることを知ります。

そこで、それらの星の動きからいろいろな事件を予測する予兆占星術がまず発達します。そして続いて、人が生まれた時の太陽・月および5惑星の位置からその人の一生を予測する、出生占星術が誕生しました。

現在の占星術につながる流れを作り上げたのは、メソポタミアのカルデアの人々です。それがやがて紀元前後ころのヘレニズム文化の中で体系として練り上げられ、ここに西洋占星術の基礎ができあがりました。

その当時の完成形を今に伝えてくれるのはプトレマイオスの『テトラビブロス』です。

その後、西洋文明はヨーロッパ地区はローマ帝国が崩壊して中世の闇黒時代へと続いていきますが、生まれ故郷の中東の地区ではアラビアの高い文明のもとで発達を続けます。しかしヨーロッパでも少し世の中が落ち着いてくると、まもなくそのシステムはアラビアから逆輸入されて、再び発達しはじめます。

今日は私たちが見ているのは、そのようにして、ヨーロッパから中東にかけての地域で発達してきた占星術です。

雑誌などの星占いとの違い

雑誌の巻末の方にしばしば「今月の占星術」などといって、星座別の運勢などが載っているのですが、実際問題として、あれは占星術とはあまり関係がありません。

占星術は星座で人間をたった12個に分類してとらえるような、大雑把な占いではありません。あれは生まれた時の太陽の位置だけを見ているのですが、通常占星術では太陽のみでなく、月および水星・金星・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星などといった天体の位置を使用します。また生まれた場所に関連したアセンダントというデータも使用します。従って同じ瞬間に同じ場所で生まれた人でない限り、ホロスコープは必ず異なり、ホロスコープが異なればその人の運命もまた変わってきますので、占星術的に同じ運命を持つ人というのは、まず存在しません。(むろん同じ頃に近所で生まれた人は似たホロスコープになります)

占星術か占星学か?

さて、しばしばこの西洋占星術は「占星術」か「占星学」かという対立があり、絶対に「占星術」だという人もあれば、絶対に「占星学」だという人もあります。

私の考えは石川源晃先生が『辞典・占星学入門』の中で述べられている意見と完全に一致します。

それは占星学と占星術はどちらも存在するもので、どちらも必要なものであるということです。

アストロロジーのいろいろな考え方を分析し、整理して理論立てていく過程はまさに通常の人文科学の手法と同じであり、これは「占星学」と呼んでよいものです。しかし、学問の範囲では個々のクライアントの様々な悩みに対応することはできません。そこにはカウンセラーの人間的・心の配慮が必要であり、その技術は「占星術」と呼ぶにふさわしいものです。しかし「占星術」のみで理論を軽視し、勘だけでクライアントの悩みを分析しようとすれば、間違いも多発します。従ってやはり「占星学」もちゃんと必要なのです。


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