ラ・シルフィード

↑

「ジゼル」と並ぶロマンティック・バレエの名作です。初演は1832年3月12 日、パリ・オペラ座。主演はマリー・タリオーニで、当時まだ珍しかった トゥで立つ技術をふんだんに使って妖精の軽やかさを表現。妖精の雰囲気を 出すために裾のふんわりしたスカートを使い(ロマンティック・チュチュの 始まり)、そして何よりも派手な振付けに安易に頼らない、詩情あふれる舞 で人々を魅了してくれました。

当時はこれは大変な人気で、シルフィード風の髪の結い方・シルフィード風 ターバン・シルフィード風パラソル、などなどが流行し、ひとつの社会現象 を引き起こします。そしてタリオーニ自身がロンドン、ペテルブルグ、ニュ ーヨークなど各地に客演。ロマンティック・バレエを世界に広めました。

このタリオーニの振付けはオペラ座の衰退期にジゼルともども消え去ってし まいましたが、1972年ピエール・ラコットが復元を試みています。もう一つ 広く知られているのはタリオーニの初演を見て感動したオーギュスト・ブル ノンビルが独自に振付けした版で1836年コペンハーゲン王立劇場で初演され て、その後継承されています。

第一幕 スコットランドの農家。結婚式を間近に控えたジェイムズがまどろん でいると、夢の中にシルフィード(妖精)が現れる。その可憐さに思わず手 を差し伸べると、シルフィードはさっとかき消すように消えてしまう。

結婚式の当日。花嫁のエフィがやってくるがジェイムズの心は晴れない。
シルフィードのことが気になって仕方がないのである(ラコット版ではこ こでジェイムズを挟んでエフィとシルフィードのパ・ド・トロワが入る)。
続いて村人が大勢お祝いにやってくる。その中のグルンはエフィのことが 好きで、この結婚式の当日になってもまだ彼女のことを諦めきれずにいた。

魔法使いが現れ予言をする。エフィには幸せな結婚をすると告げたが、ジ ェイムズにはお前はエフィとは結婚できないと告げる。ジェイムズは怒っ て魔法使いを叩き出すが、グルンは密かに勇気づけられた。

しかし結婚式は進行する。やがて指輪の交換になるが、ジェイムズが指輪 を取り出した所にシルフィードが登場。いたづらして指輪を奪い取ってし まう。しかし彼女の姿はジェイムズにしか見えない。彼はシルフィードを 追って家を飛び出す。取り残されて困惑するエフィ。

第二幕 森の中。シルフィードは自分を追いかけてきたジェイムズに仲間の 妖精を紹介する。(ここでパ・ド・ドゥが踊られる)ジェイムズはもう シルフィードのことに夢中になっているが、つかまえようとするとさっと 空に舞い上がって消える彼女に不安も感じる。

そこで彼は魔法使いに頼んで妖精が空に飛び上がれなくなるという肩掛け をもらう。そしてジェイムズがそれを彼女の肩にかけると、妖精の羽が抜 け落ち、確かにシルフィードは飛べなくなったが、それとともに彼女は命 も失ってしまう。

悲嘆にくれるジェイムズを残してシルフィードを弔う妖精たちの列が空を 行く。その向こうの方ではバグパイプの音が響き、エフィとグルンの結婚 を祝う人々の行列が見える。

なお『アラベスク』ではジェイムズを踊るレミルがキルトスカートを履くの を嫌がるシーンがありますが、やはりこの演目ではシルフィード役の女性は ロマンティック・チュチュで、相手役の男性はキルトというケースが多いよ うです。


(C)copyright ffortune.net 1995-2016 produced by ffortune and Lumi.
お問い合わせはこちらから