コッペリア

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今回のシリーズを始めるのに、とにかく、チャイコフスキーの三大バレエと ジゼル・シルフィードまではすぐ決めたのですが、あと2個について一つは モダンバレエの中から何かということで牧神の午後を採り、最後の一個につ いては、シンデレラ・ドンキホーテ・コッペリアと悩んだ末にコッペリアに しました。それはこの作品、子供の頃なんとなく見たことのある作品の一つ であったからです。子供の頃になんとなく見たことのあるのは、白鳥の湖と コッペリアとペトルーシュカでした。

さて、コッペリアは1870年5月25日、パリ・オペラ座で初演されました。19 世紀の科学文明が急速に発達しようとしている時期の雰囲気をよく伝えてい る作品ともいえます。主演はジュゼピーナ・ボアッキ。彼女はこの時わずか 15歳。まだバレエ学校在学中でした。が、残念なことにこの初演の数年後に 夭折しています。

このバレエはパリ・オペラ座の最後の炎ともいうことができます。ボアッキ が亡くなるのと同じ頃戦争の影響でオペラ座は閉鎖され、その後一応復活は するものも長く低迷の時代が続きます。そのオペラ座を再び蘇らせたのは、 ディアギレフのロシア・バレエ団(バレエ・リュス)でした。

1930年にバレエ・リュスのセルジュ・リファールがオペラ座バレエ団のメー トル・ド・バレエに就任してから、このバレエ団は再び勢いを取り戻します。

(ディアギレフが最初のパリ公演をした時はオペラ座が使えなかった。当時  「バレエみたいな低俗なもの」にオペラ座の会場は貸せない、と言われた  ためとのこと。その頃のフランスのバレエはそこまでレベルが落ちていた  のであろう)

第一幕 フランツとスワニルダは婚約者同士。仲のいい二人だが、フランツ は最近コッペリウスの家の2階の窓の所にいていつも本を読んでいる娘・ コッペリアのことが少々気になる。二人はささいなことで喧嘩して婚約を 解消してしまう。スワニルダはコッペリアのことが気になり、どんな娘な のか見てやろうと友人たちと一緒にコッペリウスの家に忍び込む。一方、 フランツもコッペリアともっと近い所で話をしたいとコッペリウスの家に 忍び込む。

第二幕 コッペリウスの家。スワニルダたちが忍び込んでくる。2階には色々 人形が置いて合ったが、例のコッペリアも何と単なる自動人形であった。
ほかの人形もみんな機械仕掛けで動くようになっており、スワニルダ達は いたづらして、人形を動かし大騒動となる。そこにコッペリウスが戻って きて、怒って娘達を追い出す。しかしこの時スワニルダだけは物陰に隠れ て部屋の中に留まった。

そこへフランツが忍び込んで来るが当然コッペリウスにつかまる。また怒 るがここでコッペリウスはふと思い直す。彼が前からやってみたいと思っ ていた実験をしようというのである。それは「生命の素」を移植するとい う実験であった。その実験材料にしようとコッペリウスはフランツを薬で 眠らせ「生命の素」を抜き取る。そしてそれをコッペリアに吹き込んだ。

しかしこのコツペリアは実はコッペリアの服を着て人形の振りをしていた スワニルダであった。スワニルダはさも人形に生命が宿ったかのように 勝手に動き出し、コッペリウスを喜ばせる。

このあと、コッペリア(スワニルダ)はコッペリウスが見ている時はまるで ロボットみたいな動きをし、見ていない時は普通の動きになってフランツ を起こそうとする。この踊りの切替えの妙がこの場面の面白さである。

やがてフランツは目を覚まし、スワニルダも逃げ出す。後に残されたのは 衣服をはぎ取られて無惨になったコッペリアであった。

第三幕 村の祭。婚約をし直したフランツとスワニルダが結婚する。村長から お祝いのお金が贈られる。そこへコッペリウス登場。フランツたちに壊し た人形の修理代を弁償しろと言う。二人は今もらったお祝い金を差し出そ うとするが村長が代わりに払ってくれる。コッペリウスは満足して立ち去 る。その後は宴会となる。クライマックスにフランツとスワニルダのパ・ ド・ドゥによる「平和の踊り」が入る。


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