高層ビルの波紋
最近は高いビルがたくさん建っています。近くの住民が日照権問題で裁判
に訴えたりするのはよくあることですが、全然「付近」でない所に影響が
いって、たいへんなことになったことがあります。
ある町とだけ言っておきましょう。
とある大企業の大きなブランチがその町の2ヶ所にありました。両方でデ
ータを交換するのに最初普通の電話でやっていたのですが、やはり電話代
がかさみますので、何か安い通信手段はないかと検討した末、あるメーカ
ーが短い波長の電磁波で飛ばすことを提案。両方の社屋の屋上にパラボナ
アンテナを建てて、通信を始めました。
これはとても快調で、新しい技術というのは素晴らしいもんだねぇ、など
と話をしていました。
ところが。。。。。
この町にひときわ高いビルが建ち、しかもそのビルがよりによって、この
ふたつのパラボナアンテナのジャスト・真ん中に建ってしまったのです。
工事が始まり、足場が組み立てられたあたりから、パラボナアンテナ間の
通信がつながりにくくなってしまいました。そしてやがて、全く通じなく
なってしまいました。
この企業では大慌てで、原因が分かると絶句。別途専用回線を確保してそ
ちらにバイパスするようにシステムを組み変えるまで数ヶ月間、社員がデ
ータを磁気テープに入れて公共交通機関で運ぶという日々が続きました。

Dropped down from
digital episode.
(C)copyright ffortune.net 1995-2016 produced by ffortune and Lumi.
お問い合わせは
こちらから