高層ビルの波紋

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 最近は高いビルがたくさん建っています。近くの住民が日照権問題で裁判  に訴えたりするのはよくあることですが、全然「付近」でない所に影響が  いって、たいへんなことになったことがあります。
 
 ある町とだけ言っておきましょう。
 
 とある大企業の大きなブランチがその町の2ヶ所にありました。両方でデ  ータを交換するのに最初普通の電話でやっていたのですが、やはり電話代  がかさみますので、何か安い通信手段はないかと検討した末、あるメーカ  ーが短い波長の電磁波で飛ばすことを提案。両方の社屋の屋上にパラボナ  アンテナを建てて、通信を始めました。
 
 これはとても快調で、新しい技術というのは素晴らしいもんだねぇ、など  と話をしていました。
 
 ところが。。。。。
 
 この町にひときわ高いビルが建ち、しかもそのビルがよりによって、この  ふたつのパラボナアンテナのジャスト・真ん中に建ってしまったのです。
 
 工事が始まり、足場が組み立てられたあたりから、パラボナアンテナ間の  通信がつながりにくくなってしまいました。そしてやがて、全く通じなく  なってしまいました。
 
 この企業では大慌てで、原因が分かると絶句。別途専用回線を確保してそ  ちらにバイパスするようにシステムを組み変えるまで数ヶ月間、社員がデ  ータを磁気テープに入れて公共交通機関で運ぶという日々が続きました。


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