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return コンピュータと数学


 数学史上長年難問とされてきた問題に「四色問題」というものがありました。
 
 これは平面または球面上の地図を「隣り合う国同士は別の色で塗る」とい
 うルールで塗り分けて行った場合、どんな地図でも必ず4色で塗り分ける
 ことができる、というものです。
 
 実際にやってみれば分かりますが「平面の特性」によって、5色以上必要
 な地図は絶対に作れそうにない、とすぐ分かります。
 
 (何でしたら、お正月にやってみて下さい。5色以上必要にするためには
 「橋」を作る必要があります)
 
 にも関わらず、この問題は長年未解決になっていました。
 
 「5色以内で塗れる」ということは比較的早く証明されたのですが、実際
 に5色必要な地図というのは、逆にどうしても作れませんでした。
 
 結局この問題を解決したのはコンピュータです。1976年アッペルとハーケ
 ンがこれを肯定的に解決しました。

 彼らが取った手法(放電法)というのは、実はずいぶん前から多くの人が考
 えていた手法です。要するに、四色で塗ることができるというのは確かな
 のですが、それを証明するために色々な状況を場合分けする必要があり、
 その場合分けの数が、実際に証明の作業を始めてみると、ものすごい数に
 膨れ上がってしまいます。
 
 そのため、これを全部調べ尽くすのは不可能だ、と思われていたのです。
 
 アッペルとハーケンはこの膨大な場合分けの作業をコンピュータにやらせ
 ることを考えました。そして彼らがすばらしかったのは、いかにしてそれ
 をコンピュータが現実的な処理時間の中で作業を終えられるようにプログ
 ラムするか、ということでした。
 
 いくらコンピュータにやらせても、結果は1000年後に出ます、というので
 は困ります。しばしば人工知能系の問題には、そのように、コンピュータ
 でまともにやらせようとすると、何千年とか何億年とかかかる、というこ
 とになり、数日以内に計算を終わらせるため、なんらかの工夫が必要な場
 合があるのです。
 
 アッペルとハーケンはこの部分の着想が良かったのでした。しかしコンピ
 ュータというものが無い限り、この問題は解決していませんでした。

 この問題に関しては、その後も、こういうものすごい数の場合分けをひと
 つずつチェックしていく以外の証明方法は見つかっていないと思います。
 
 こういう手法を一般に「エレファント」な解決法と俗称しています。
 (反対語は「エレガント」な解決法)


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