移植 (いしょく, porting) ソフトウェアを別のシステムに移すこと。  ひじょうに運が良ければ、ソフトはコンパイルしなおすだけで動作  してくれるが、コンパイラーの仕様が異なるとその部分を書き直さ  なければならないし、用意されているライブラリのセットが違う場合  はかなりの変更が必要である。ハードウェアの違いに対応するための  調整が入る場合もある。また外国で動作しているプログラムのメッセージ  やメニューなどの表現を翻訳するような場合もある。    また、企業システムなど移植する時は、新たな利用者の要望に合わせて  移植と同時に仕様変更が行われることも多い。概してこの仕様変更に  関する費用は請求できないことが多いので、移植の見積もりにはある  程度予想される仕様変更の費用まで含めて提出されるケースも多い。  なおソフトウェアを移植した場合に、元のシステムのソフトがグレード  アップした時、移植先のソフトウェアのグレードアップをどうするかは  常に問題となる。    移植されることが最初から分かっている場合は、システムによる違いを  リソースや設定ファイル、レジストリなどの手法で上手に管理する  ようにしておき、全てのシステム用のソフトを同時に生成できるように  する手法が取られる。たとえば英語版と日本語版を同時に発売したり、  Windows版とMacintosh版を同時に発売したりするソフトメーカーは、  そのような管理をおこなっている。このような場合、移植の容易性を  優先して、ソフトウェアの操作を各システムの標準とは異なるものに  していることも多い。
移植性 (portability) 移植が容易なように作られていること。  可搬性と訳されることもある。
イースターエッグ (Easter Egg) ソフトウェアにしばしば隠されている  お遊び的な機能。「イースターエッグ」というのは、復活祭(Easter)の  ころに子供が卵にペイントしたものを庭などに隠しておいて、それを  宝探しのように見つける遊びなのだが、それと似たことをソフトウェア  上でおこなったもの。  有名なものとしては、Macintoshのアップルメニューに隠された開発者名  のロールアップであるとか、Windowsの時刻帯設定用の世界地図に隠された  やはり同様の開発者名ロールアップ、Photoshopに隠された魔法使いと猫  などがある。Windowsの世界地図の仕掛けは、有名な割りに起動するための  操作がひじょうに難しいので、見れた人は少ないであろう。
位相 (いそう,phase) 波動の状態を角度で表したもの。  波動の物理的な量は Asin(φ) で表すことができる。ここでAを振幅,  φを位相という。sinは 2π周期で同じ値になるのでφも2π離れたものは  同じ状態をあらわす。  位相は周波数(f)と波長(λ)が一定で変化しない場合は、    φ = 2πft − 2πd/λ  で表すことができる。ここで tは経過時間, d は振動の始点から距離である。
位相変調 (いそうへんちょう, phase modulation) 波動の位相の変化に  よって情報を伝える方法。    波動は Asin(φ)の形で表すことができ、このA(振幅)を変化させて  情報を伝えるのが振幅変調(AM), φを変化させるのが位相変調(PM)  および周波数変調(FM)である。    振幅変調(AM)の場合は搬送波の波形は変わらず揺れの大きさが刻々と変化  する。これに対して位相変調(PM)・周波数変調(FM)では揺れの大きさは  変わらずに波の詰まり具合が変化する。従って波形を適当な装置で見た  時の形は、PMとFMはそっくりである。    位相と周波数の間にはφ=2πft + k (kは定数) の関係があるが、位相  変調と周波数変調の違いは、位相変調ではφを情報信号の大きさに比例  させるのに対して、周波数変調では f を情報信号の大きさに比例させる。  従って、位相変調されたデータは位相を直接読めば良いが、周波数変調  では位相を時間で微分して情報を得ることになる。回路自体は似たような  もので良い。  位相変調には、位相の絶対値で情報を表す方法と、相対値(差分)で情報を  表す方法がある。2値のデジタルデータを0とπで伝達するPSK, π/2単位  にして2bit一度に伝達するQPSKなどは前者、V.22モデムで使用されて  いたDPSKなどは後者の方式。
(いた, board) BBS(掲示板システム)でひとつのジャンルのテーマの  会議室(MES,Room(部屋),スレッドなどともいう)を集めたグループ  のこと。大規模なBBSではシステム内に多数の板があり、各板に多数の  会議室があって、各会議室で多数の話題の列(コメントチェーン)がある  という構造になっている。    @niftyやCompServeのフォーラム, PCVANSIGなどに相当する。  ffortune.netでは部屋が多数集まっているということでハウスと呼んで  いる。「板」ということばは主として2chで発達したことば。2chの場合  ひとつのサーバーに多数の板が設置される。ffortune.netの場合はハウス  の上に更にハウスが多数集まったタウンという単位もある。
(いた, board) コンピュータのプリント基板の俗称。  数cm〜数十cm程度の大きさの板状のプラスチックの上に、多数のICを設置し  配線したものである。板内の信号伝達はケーブルではなく板自体に銅などで  印刷された線を通して行われる。  →プリント基板
板村健 (いたむらけん) たぶん坂村健(さかむらけん)の誤読/誤記。同項参照。  この人の名前はTRONを提唱した1984年当時から非常によく板村と誤読され  また(雑誌などでも)ミスプリントされることが多かった。あまりにも誤読・  誤記されて、どっちが本当であったか分からなくなっている人も多い。  WWWサイトや掲示板でも板村という表記をひじょうに良く見る。
イタリック (italic) 斜体。文字の書体の一種。縦画を斜めにしたもの。  イタリックはフォントの種類ではなく、各フォントごとに通常の書体(plain)  を変形して作ることができる。同様の変形書体として、ボールド(bold,太字),  アウトライン(outline,縁取り)などがある。またイタリックはこれらと組合せ  ることもできる。
イタリック体 =イタリック
一意名 (identifier) プログラム上で、そのように書けば何を指しているか  が明確に分かる書き方をいう。主に構造体を多用するCOBOLの用語。  たとえば JBA OCCURS 20 などと定義されている時に単にJBA と書いても  20個あるJBAのどれを指すのか分からないが JBA(3)と書けば明確になる。また   01 WXTABLE     02 RYOKIN PIC 9(04)   01 SVTABLE     02 RYOKIN PIC 9(04)  などと定義されていた場合に、単に RYOKIN と書いてもどちらを指している  のか分からないが、RYOKIN OF WXTABLE と書けばハッキリする。    COBOLの一意名は一般には次のような形になる。    ABC OF XYZ (5) (7:8)  これは XYZ という構造体内のABC という項目の5番目の7バイト目から8バイト。    ABC(5) OF XYZ ではなく ABC OF XYZ (5) と書くというのが  他の言語からCOBOLに来たプログラマーには、とても気持ち悪く感じる。
一次キャッシュ (いちじきゃっしゅ, primary cache, L1-cache) 多段階になっている  キャッシュのうち、利用場所に近いほうのもの。最近ではCPUの  一次キャッシュはCPU内に内蔵されるのが普通。    →キャッシュ
一次群速度インターフェイス (いちじぐんそくど・いんたーふぇいす, primary rate interfase)  ISDNのINS1500で使用されていたインターフェイス。物理速度は1544kbpsで  1本のDチャンネルと23本(T1)または30本(E1)のBチャンネルで構成される。
一次電池 (primary battery) 充電のできない電池。充電できる蓄電池と  区別するために普通の充電できないものを一次電池、できるものを「二次電池」  と言い分けたもの。