Windowシステム MacintoshのGUI, Microsoft Windows, X Window などの総称。 物理的なディスプレイ上に多数の仮想的なスクリーンを設置し、そのひとつ ひとつの仮想スクリーン(Window-窓-という)を通してプログラムが利用者と 対話しながら処理を進めるシステム。 ウィンドウは親子関係を付けることができ、また警告などを表すために他から 飛び出した小さな箱形ウィンドウ(アラート Alert)を出すことも出来る。 このシステムを利用する人はマウスと呼ばれる装置で画面上のカーソル を動かし、マウスに設けられたボタンを適当な場所で押す(クリックという) ことにより、各種の操作をおこなう。 マウスのカーソルを合わせてボタンを押すことにより反応する場所は コントロールと呼ばれ、主な物に下記がある。 プッシュボタン 押すことにより特定の動作を開始させるもの ラジオボタン 押すことにより幾つかの選択肢の内のひとつを選ぶもの チェックボックス 押すことにより特定のオプションをon/offするもの スクロールバー 仮想スクリーンから見える場所を上下左右に移動させるもの リストボックス 多数の選択肢の中のどれかを選ぶもの テキストボックス キーボードから特定の文字列を入力するもの メニュー 各種の動作をさせるコマンドを集めたもの 常時表示されている「メニューバー」と任意の場所で 特定の操作で呼び出せる「ポップアップメニュー」がある。 ウィンドウシステムにおいては上記のようなコントロールもひとつのウィンドウ であり、そのコントロールが置かれているウィンドウの子ウィンドウになっている。 なおマウスが利用困難な場所でその代替に使うポインティングデバイスには タッチパッド, トラックポイント, トラックボールなどがある。 Windowシステムが最初に使用されたのはXeroxのパロアルト研究所(PARC)で Alan Kayらが1974年に開発したALTOである。 このALTOおよびその商用機のStarを参考にしてAppleのLisa/Macintosh, MicrosoftのWindows, VisiCorpの VisiOn, IBMのPM などが生まれた。 X Windowに関してははっきりしないが、元になったW Windowが開発された のが1984年であり、W Window が動作した V system の開発にはPARCも関わって いることから、何らかの影響を受けている可能性は高い。
WindowMaker X Windowシステムで使用されるウィンドウマネージャーのひとつ。
Windows マイクロソフトが開発したパソコン用OS。正確にはMicrosoft Windows。 同じ名前は使用していても実際の中身に関しては、各バージョンによってかなり 異なるものがあるが、ものすごく大雑把に言えば、下記の3系統に別れる。 (1) Interface Manger → Windows 1.0 → Windows 2.0 → Windows/386 (2) Windows 3.0 → Windows 95 → Windows98 → Windows Me (3) Windows NT → Windows 2000 → Windows XPWindows 2003 → Windows VISTA Vista以降はWindows 7 Windows 8 Windows 10 と改定されてきている。 各バージョンの細かい機能や開発経緯などについては上記の各項参照のこと。 (1)は古い16bitソフトウェアであり、メモリブロックのサイズが事実上64KB に限られたり、MSDOSアプリケーションが動作しないなど、色々制約が厳しかった。 (2)はWindows 2.x の中で32bitモードで動作しない所をDave Weissが徹底的 に調査して書き直した私的な試作品をベースにしており、初めて実用的な レベルに到達したWindowsであり、爆発的なヒットとなって高価なOS/2や 開発が遅れに遅れていたMacintoshを尻目に、ビジュアル・インターフェイス の新しい代表となった。 (3)はDECの新OSを開発していたDave Cutlerとそのチームが、DEC社がその 新OSプロジェクトを中止してしまい行き場所がなくなったのをBill Gatesが 救済し、Microsoft社内で自由に研究してもらった結果生まれた新型OSをコア にしている。製品化するに当たってはビジュアル・インターフェイスの部分 をMicrosoft社内のWindows3.xに精通している技術者たちが改造し、専門家で なくても扱うことのできるOSとなるよう調整した。
Windowsキー (Window specific key) Windows用パソコンのキーボードに 付いているWindowsのロゴマークが刻印されたキー。押すとスタートメニュー が起動される。またWindowsキーと他のキーとの組合せで各種の操作も可能で ある。その主な物を下記にあげる(これは意外に知られていない)。 Windows + M 全てのウィンドウをアイコン化する(タスクバーに収める) Shfit + Windows + M 上記の逆操作 Windows + F 検索ウィンドウを開く Windows + R 「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを開く Windows + F1 Windowsのヘルプを開く
Windowsの主な開発コードネーム Chicago Windows95 Daytona WindowsNT 3.51 Detroit Windows95_OSR2 Cairo Windows2000(の一部) Memphis Windows98 Millennium Windows Me Whistler Windows XP Longhorn Windows Vista Blackcomb 放棄 Fiji Windows Vista SP1 Vienna Vistaの次のWindows
Windows_1.0 VisiCalcの発売元であるVisiCorp社のVisiOnの発売に対抗して マイクロソフトが発売した「ビジュアルな操作環境」。1985年11月18日に発売 された。この時点で既にCalendar, Clock, Notepad, Caluculator, Cardfile, WindowsWrite, WindowsPaint, Terminal, それに Reversi も添付されている。 MS-DOS Executive(DOS窓)も入ってはいるがこの当時のDOS窓は互換性が悪く よほどお行儀のよいソフトでなければここでは実行できなかったらしい。 マイクロソフトはMSDOSを開発した際に当時出ていた各社のマシンやOSを 深く研究しており、その際にXeroxのStarにも注目していた。しかしMSDOS (当時はPC-DOS)の初期リリースにはこのコンセプトを盛り込むことは困難で あったため、1981年8月にIBM-PCとともにPC-DOS1.0がリリースされるのを 待って、1981年9月社内で小さなプロジェクトを起こして、新しいビジュアル ・インターフェイス"Microsoft Interface Manager"の開発を始めた。しかし その開発は困難を極めた。 そうこうしている内に1982年秋、VisiCorp社が同様のコンセプトのVisiOn を1年後に発売すると発表し、更に1983年1月にはIBM-PCによりそれまでの 人気パソコンAppleIIの売り上げが落ちてその挽回を狙うApple社が画期的な マシンLisaを実際に発売。Microsoftの危機感は極めて大きくなる。 Interface Managerの最初のデモは1981年末に行われているが、この時点では 後のWindows95のように画面下部にメニューバーがあり、MultiplanやMSWord などと親和性のあるインターフェイスが採用されていた。しかし1982年に行わ れたデモではXeroxのStarライクなプルダウンメニューに変更されていた。 そして1983年10月に予告通りVisiOnが発売されるとマイクロソフトは翌月10日、 Microsoft Interface Managerの1年後の発売を予告した。 しかしマイクロソフトが実際にこのソフトを発売できたのは発表の2年後の 1985年11月。当初の予定から丸1年遅れてしまった。しかも発売されたもの はデモの時とはまるで違う、極めて操作性の悪いものになっていた。当然 このソフトはほとんど売れていないし、この実際に動いている画面を見た人 は時代の貴重な証人である。筆者もこれまでに「使っていた」という人には まだ一人しか出会ったことがない。 この操作性の悪さは当時、このプロジェクトの開発を支援するために、元々 こういうインターフェイスを開発したPARCの技術者を引き抜いてきたのが、 そのリーダー格の人がStarやLisaのようなオーバーラップウィンドウを嫌い、 タイルドウィンドウにこだわったためである。(但しアラートだけは 他のウィンドウにオーバーラップする) しかしその時は既に1984年1月にAppleがMacintoshを発売しており、見栄え で劣るWindows 1.0 は多くの人に「Macintoshの下手な猿まね」という誤解 をされるはめになり、その後多くのアンチMS技術者を生み出す元にも なってしまった。実際には、VisiOn, Lisa/Macintosh, Windowsは全て ALTO/Starをベースにしており、別にWindowsがMacintoshを真似たわけ ではない。Macintoshの意義はこういう環境のマシンを世界で初めて商業的に 成功させたことにある。