Ethernet イーサネット。LANの代表的な規格で、現在速度と使用するケー 
 ブルにより下記の種類がある。 
  
 名称    速度   ケーブル     最大延長 
 10BASE-5  10Mbps  同軸(半径5mm)  500m/segment 
 10BASE-2  〃    同軸(半径2.5mm) 185m/segment 
 10BASE-T  〃    撚対線(4線)   100m/Hub端末間 
 10BASE-F  〃    光ファイバ    1km/Hub間 
 100BASE-TX 100Mbps 撚対線(4線)   100m/Hub端末間 
 100BASE-T4 〃    撚対線(8線)   〃 
 100BASE-FX 〃    光ファイバ    412m/Hub間 
 1000BASE-T 1000Mbps 撚対線(8線)   100m/Hub端末間 
 1000BASE-LX 〃    光ファイバ    5km 
 1000BASE-LH 〃    光ファイバ    10km 
 1000BASE-SX 〃    光ファイバ    550m 
 1000BASE-CX 〃    同軸       25m 
 なお、この名称の中の「BASE」とはベースバンド方式つまり、モデムを 
 使ってアナログ信号に変換したりせず、デジタル信号を直接伝送するとい 
 う意味である。 
 初期の段階では、同軸ケーブルを利用した 10BASE-5 が使われ、これが線 
 が太くて配線が大変なことから、小規模LAN向けに 10BASE-2 が使われた。 
 その後、10BASE-T が出てきて、配線の簡易性により利用者の支持を集め、 
 標準的地位を占めることとなって、10BASE-5,10BASE-2 はむしろ10BASE-T 
 のバックボーンLANとみなされるようになった。 
  
 速度は最初は10Mbps(メガ・ビット/秒)であったが、その後100Mbpsのもの 
 (Fast Ethernet)が普及して、2003年現在ではほとんどの企業,家庭のLANは 
 既に100Mに移行したものと思われる。今後はこれが更に1000Mbps 
 (Gigabit Ethernet)に移行していくであろう。 
  
 初めUNIXの世界で使われ、その後マッキントッシュで利用され、更にPCの 
 世界まで普及した。PCでの普及が遅れたのはOSでのサポートが弱かったか 
 らである。PCでは最初ノベルのNetWareが利用を促進しその後Microsoft 
 のWindowsNTを経てWindows95で一般化した。 
 10BASE-T,100BASE-TX,1000BASE-T の配線に使われる撚対線(よりついせん) 
 は英語を使って、ツイスト・ペア・ケーブル(Twisted Pair Cable)とも 
 呼ばれる。4線のものをカテゴリー3, 8線のものをカテゴリー5 というが、 
 現在は実際には10Mbpsの配線でもカテゴリー5のものを使用するのが普通で 
 ある。シールドがされているものを STP (Shielded Twisted Pair), シー 
 ルドされていないものを UTP (Unshielded Twisted Pair)という。現在 
 普及しているのは、UTP5 である。 
  
 10BASE-5 の配線では、末端にターミネータを付けた同軸ケーブルの 
 バス型配線をした所に、途中にトランシーバ(MAU)と呼ばれる機器 
 を入れ、そこからAUIケーブルと呼ばれるケーブルで、パソコンに装着 
 したLANボード(NIC)へとつなぐ。 
  
 これが10BASE-2の場合は簡易化されていて、同軸ケーブルの配線は同様 
 だが、AUIケーブルのようなものは使わず、T型コネクタで直接LANボード 
 に取り付ける。 
  
 10BASE-Tは元々は10BASE-5/2の末端に使って、ハブと呼ばれる集線装置 
 を10BASE-5または10BASE-2にコネクタで接続し、そこから、撚対線を使っ 
 て、LANボードまでを接続していた。いわばハブはトランシーバの変形で 
 あり、撚対線はAUIケーブルの変形なのだが、現在、多くのLANでは本来の 
 10BASE-5/2 のネットワークが欠落してしまい、このハブから先だけが生き 
 ている。 
  
 つまり、脳が省略されて末端神経だけで生きているようなものでコンピュ 
 ータ自体の構成がホスト・スレーブ方式の垂直型から、ホストを持たない、 
 サーバー・クライアント方式の水平型に移行してきたこととも奇妙に同期 
 している。10BASE-5/2が国家型ネットワークとすれば、10BASE-Tはいわば 
 共同社会型ネットワークである。 
  
 10BASE-T/100BASE-TXの線を集めているハブは、それ同士を接続することが 
 できる。昔はハブ同士は同軸ケーブルで結ばれていたわけだが、現在ではハブ 
 同士も普通の撚対線で接続する流儀が主流である。これをカスケード接続と 
 呼んでいる。カスケードは「滝」で、滝の水が途中の岩にぶつかって何段階 
 にも分けて落下していくように、他段階に接続されたLANという意味である。 
 カスケード接続はさすがに何段階もやると信号のやりとりが困難になって 
 くる。そのため、10BASE-Tの場合で4段階、100BASE-TXの場合は2段階まで 
 と制限されている。それ以上先にあるマシンは遠すぎて見えない可能性がある。 
  
 ハブはその集められる線の数で4ポート、8ポート、16ポート、24ポート、 
 などと呼ばれる。10BASE-Tと100BASE-TXでは電気的な特性が違うので、 
 10BASE-Tを配線していた人が100BASE-TXに移行するためには、LANボード 
 を交換するのと合わせて、ハブも交換する必要がある。 
  
 一度に移行せず、徐々に機器を入れ替えていきたい人は10BASE-T,100BASE-TX 
 の両方の線をつなぐことのできる両用ハブが便利である。 
  
 ハブは1990年前後は8ポートで10万円ほどしていたが、現在はそれが数千円 
 である。いかにLANが普及したかというのを示している。家庭や小さなオフ 
 ィスなどで、マシンがそもそも2台しかないという人は、ハブを使わずに、 
 直接、撚対線のクロスケーブルで接続する手もある。これは要するにハブ 
 的な配線をケーブル内でやってしまったものである。通常の撚対線(スト 
 レート・ケーブル)を使った上で、クロス・コネクタを使う手もある。こ 
 れはいわば2ポート・ハブである。 
  
 ハブ同士をつなぐ時も、本来はクロスケーブルを使うのだが、ほとんどの 
 ハブはクロスにできるボタンがあったり、クロス専用のポートがあって、 
 そこに普通のストレートケーブルをつなげば、ちゃんとクロスになるよう 
 になっている。 
 Ethernetのデータ伝送方法はCSMA/CDと呼ばれるものである。これはどこ 
 かのパソコンからどこかのパソコンにデータを送りたいと思った時、現在 
 ケーブル上に信号が流れているかどうかチェックして、流れていなかった 
 ら送り出すという方式である。この時、たまたま複数のパソコンが「いま 
 大丈夫みたい」と思って、同時に送り出してしまったら衝突して、どちら 
 のデータも消えてしまう。そこで万一ぶつかった時はおたがいに乱数時間 
 待ってから、再挑戦する仕組みになっている。 
  
 また、データの送信に関しては、データ上に宛先は書いてあるものの、各 
 パソコンはケーブル上にデータが流れていたら、いったん自分でそれを受 
 け取ってみる。それで自分宛でなかったら「あ、違ったか」と言って元に 
 戻すのである。 
  
 こういう原始的な制御をしているので、Ethernetはシンプルではあるが、 
 多数のマシンで構成された大規模なLANには向かないとされてきた。しかし 
 最近では、データの宛先をチェックして、指定の宛先のパソコンに直接 
 送り届ける機能を持つスイッチングハブが普及しはじめたため、これま 
 ではブリッジやルータが必要であった、20〜30台のマシンで構成され 
 るLANにおいても、ハブだけで単純構成のLANを構築できるようになってき 
 た。(スイッチングハブを使えば100BASEのシステムでもハブ2台までとい 
 う制限を越えられる) 
 なお、1000BASE のGigabit Ethernet ではさすがに従来の原始的な制御に 
 限界が来て、多少の見直しが行われている。ひとつは衝突を回避するため、 
 フレームの最低サイズを64バイトから512バイトに上げた。これはあまり 
 にも短いフレームは、高速故に相手端末に届く前に送出が終了してしまい 
 その状態を他のマシンが「回線が空いている」と誤認する可能性があるか 
 らである。もう一つは特定の端末に向けて連続してデータを送ることが出 
 来る「バーストモード」を設けたことである。 
 Ethernetは最初XeroxでAltoなどとともに開発された。その後、DEC、 
 Intel、Xerox が共同でDIX規格を定めた。さらに1980年2月に発足した 
 IEEEの802委員会の第3ワーキンググループで仕様が固められ802.3規格 
 となった。100BASEの規格も同じく802.3委員会である。1000BASEの規格 
 は T のみが 802.3ab 分科会で、その他は 802.3z 分科会で定められた。 
 なお、EthernetのEtherとは「エーテル」である。19世紀末に電磁波の仕組 
 みが解明される以前、光や電波は「エーテル」と呼ばれる、目に見えない 
 物質内を伝搬すると考えられ、遠い宇宙の星の光も地球に届くことから、 
 エーテルは目に見えず感じることもできないが、宇宙のあらゆるところに 
 充満していると考えられていた。 
 そのエーテルのように、わざわざ感じることのないほど自然に使えるネット 
 ワークでありたい、という願いを込めて、Ethernet というのは命名された。 
 日本語的な表現でいえば「空気のようなネット」である。 
 →LAN,FDDI,TokenRing,無線LAN

Ethernetアドレス LANカード(Ethernetカード)に工場出荷時に記録されて  いる管理番号。世界中のメーカーに番号が割り当てられていて、各メーカー  で連番を発生させており、絶対に同じものは存在しない仕組みになっている。  LAN上でお互いを識別するために使用するのが本来の使い方であるが、一部  のソフトメーカーは、このEthernetアドレスによってソフトのプロテクト  を掛けている。MACアドレスともいう。