EMS (Expanded Memory Specification) MSDOS拡張メモリーを使用 
 するための規格のひとつで、初期の段階でのスタンダードである。 
 MSDOSはインテルの8086というCPUをベースに作成されたOSである。8086は 
 1MB(1024KB)までのメモリー・アドレスを持っているが、実際にはこの内 
 メモリーには 00000〜9FFFF までの 640KB(一部のマシンでは768KBまで) 
 しか使えず、A0000〜FFFFFの384KB分のメモリー・アドレスは実際には 
 周辺機器とのインターフェイスに割り当てられている。 
  
 (つまりメモリーに書き込む命令が周辺機器への操作として解釈される。 
  言い替えると周辺機器とのデータのやりとりをメモリーの読み書き命令 
  で記述できる。) 
 MSDOSが開発された当時はメモリーが24KBとか32KBとかいったパソコンが 
 動いていた時代である。640KBなどというメモリーは「どうやって使った 
 らいいか見当もつかないほど巨大なメモリー」であった。 
  
 しかしその後IC技術の発展でどんどん大容量のメモリーが製造され、又 
 パソコンのソフトの仕様に対する利用者の要求が拡大して、プログラム 
 はどんどん巨大になり、やがて640KBのメモリーでは足りなくなった。 
 そのため、ついに1MBを越えるメモリーを搭載したパソコンが登場する 
 に至るが、初めの頃、この部分にどうやってアクセスするかということ 
 についていくつもの方式が並立した。 
  
 BMS(Bank Memory management System)はIOデータ機器が提唱したも 
 ので、通常メモリーの上位128KB(80000-9FFFF)が色々切り替えて使用で 
 きるようになっていることを利用し、ここに拡張メモリーをバンク単位 
 で切り替えてマップし、使用したものである。初めの頃国内で1MB越の 
 マシンを使っていた人たちの間ではけっこう使用された。 
  
 EMS(Expanded Memory Specification,本項)はLotusIntelが共同開発 
 し、後にMicrosoftが加わってLIM(Lotus/Intel/Microsoft)という規格 
 が作られたものである。LIMはversion3.2で一度普及し、その後Quadram, 
 AST Research,Ashtontate が提案したEEMSの規格を吸収したLIM 4.0が 
 定められて更に普及した。 
  
 EMSのやり方は、拡張メモリーを覗く窓を、通常メモリーの中ではなく、 
 本来は周辺機器用の、A0000-FFFFF の上位メモリー(Upper Memory)の中に 
 確保する。この時メモリーの中身は16KB単位の「ページ」で参照する。 
 LIM3.2ではページは連続領域に4ページ取る方式であったが、LIM4.0では 
 必ずしも連続していない領域に8ページまで取れるようになった(EEMSでは 
 64ページ)。 
  
 そもそも当時、拡張メモリーを使おうという人はかなりのヘビー・ユーザ 
 ーであり、そういう人はしばしば多数の周辺機器を接続しているため、連 
 続した領域に4ページ(PC98では2ページ)もアドレスを空けるのは調整が大 
 変であった。 
 また、LIM3.2では基本的にデータを置くことしか考えていなかったが、 
 EEMSおよびLIM4.0ではプログラムも置くことができるようになった。また、 
 そもそもLIM3.2では最大8MBまでの拡張メモリー(当時8MBというのは数十台 
 の端末を接続した大型オフコンのメモリー)にのみ対応していたが、LIM4.0 
 では最大32MB までの拡張メモリーに対応した。 
 LIM4.0が策定された頃32MBというメモリーは「途方もなく巨大な 
 メモリー」であった。MSDOSがシングルタスクのOSであることを思い出して 
 おいていただきたい。 
 その後、拡張メモリーはXMSという新しい方式で制御されるようになり 
 現在に至っている。 
 ※主な拡張メモリードライバソフト 
  EMM.SYS   80286以降のあらゆる機種・環境で使用できる拡張メモリドライバ。 
  EMM386.SYS 80386以上のCPU用の拡張メモリドライバでMSDOS3.3に対応したもの。 
        つまりEMM.SYSはもっぱら80286用ということになる。 
  EMM386.EXE 80386以上のCPU用の拡張メモリドライバでMSDOS5.0に対応したもの。 
        これは実はXMS配下でEMMをシミュレートするソフトである。 
        このソフトはEMSの機能を直接呼び出しているソフトをXMS配下でも 
        動作させるためのもの。 
  HIMEM.SYS  80286以降で動作するXMSドライバ。詳しくはXMSの項参照。 
  EMS386.SYS ジャストシステム製のEMSドライバ。 
 →640KBの壁

EMS (electronics manufacturing service) 電子機器の受託生産サービス。  2011年現在、パソコンやタブレット、スマートフォンなどの多くが、労働単価  の安い中国でEMS方式により生産されている。  →OEM,ODM
EMS (Express Mail Service) 国際スピード郵便。
EMS (Environmental Management System) 環境マネージメントサービス
EMS (Electrical Muscle Stimulation) 電気的筋肉刺激
EMT64 (Extended Memory 64 Technology) Intel 64の以前の名前。  詳しくは同項参照。
EMWAC (European Microsoft Windows Academic Center) エジンバラ大学が  設立したコンピュータの教育機関。  →IMS
encode →エンコード
encore アンコール。Passport Design社が開発販売している楽譜作成ソフト。
Endeavor エンデバー。エプソン・ダイレクトが販売しているパソコンの名称。
EnergyStar アメリカ環境保護局(EPA)が作成したコンピュータや周辺機器  の省電力機能の規格。
enhanced3DNow! AMD社のCPUに搭載されたマルチメディア拡張命令。  同社の製品の3DNow!やIntelのMMXの拡張になっている。
Enhanced_CD 音楽用CDとCD-ROMが組み合わされたもの。
Enhanced_SpeedStep Intel社のCPUに搭載されている電力管理システム。  同社のSpeedStepを改良したもので、Mobile Pentium III-M 以降に  搭載されている。    基本的にはSpeedStepと同様に、AC電源を想定した高パフォーマンスモード  と、バッテリー電源を想定した省電力モードの2段階であるが、省電力モード  で使用している最中に一時的に負荷の高いアプリケーションを使用する場合  高パフォーマンスモードに切り替えて利用することもできるようになって  いる。
ENI390 (ENICOM 390) ENICOMが販売するP390(IBM390のOSが動作するパソコン)  この手のマシンについては、P390の項、参照のこと。
ENIAC (Electronic Numerical Integrator And Computer) 1946年2月に  ペンシルバニア大学のJohn MauchlyPresper Eckertにより開発された  コンピュータ。一般に世界初のコンピュータと信じている人が多いが、実際  にはアイオワ大学のABCの方が早く、モークリーらはABCの開発者である  John Atanasoffから多くのノウハウを提供してもらっている。(と裁判で  証明された)  ENIACは18800本の真空管、1500個のリレー、7万個の抵抗器、1万個の  コンデンサーを使い、総重量は30トンに達していた。幅30m,奥行1m,高さ3m。  電力消費は174KW。現在のパソコンの百〜千倍の電力消費になる。48万6000  ドルの開発費の大半は、このマシンを弾道計算に使用したかった陸軍から  出ている。計算回路は10進数のいわゆるリングレジスタ方式を採用している。    開発費用の問題と納期の問題から、プログラム機能は付けられておらず、  プログラムの組み替えは配線の変更で対応する仕組みにしていた。このマ  シンは従来の機械式計算器で24時間かかっていた計算を30秒で実行してみ  せた。処理能力は 5000演算/秒。現在の平均的なパソコンの10万分の1の  スピードである。つまりコンピュータはこの50年の間にそれだけ発達した  ということである。  なお、モークリーとエッカートはこの後、実用的な計算機UNIVACの開発  に従事する。  詳しい話は http://www.ffortune.net/comp/history/reimei.htm