CRT (Cathode-Ray Tube) 陰極線管、つまりブラウン管。ただし日本語の 
 使い方としては、一説によれば、初期の金属製のものを陰極線管と呼び、 
 現在テレビなどに広く使われているガラス製のものをブラウン管と呼ぶ 
 のだとも。 
 コンピュータの表示装置(ディスプレイ)として広く使われており、一時期 
 はディスプレイといえばCRTであったが、今後は液晶ディスプレイや 
 プラズマディスプレイなどの場所を取らないものに移行していくものと 
 思われる。(むろん薄型の扁平CRTというものも存在するが) 
 →ディスプレイ

CRTディスプレイ CRTを使用したディスプレイのこと。構成的にはテレビ  の表示装置とほぼ同じである。原理的にはブラウン管の見える側には蛍光  体が塗ってあり、そこに反対側から電子銃(ガン)で電子ビームを当てて、  蛍光体を発光させる。  カラーテレビーの場合は通常、光の3原色にあわせて3本の電子銃を使用  するが、この方式の泣き所は、電子銃が色ごとに別々であるために、光の  出る場所が違うことで3原色間に微妙な色ズレが起きることである。これ  を1本の電子銃にやらせることにより解決したのがソニーが世界に誇る  「トリニトロン」である。  CRTでは画面全体が同時に光っているように見えても、実は常に電子銃が  画面の隅から隅まで、せわしなく走っている。(むろん電子銃の向きを  変える訳ではなく磁界で曲げる。物理的にあんなに高速には動かせない)    この走り方は、画面の上の左端(表から見て)から始まって、右端へ行き、  いったん光を止めて左端のさっきより少し下に戻って、再度光を出して  また右端まで行く。  これを繰り返して、画面の右下までたどりついたら、また光をいったん  消して画面の左上に復帰する。  つまりCRTの画面というのは実は多数の線で構成されており、これを走査線  といい、右端から左端へ戻る時間を水平復帰時間(水平ブランク)、右下  から左上に戻る時間を垂直復帰時間(垂直ブランク)という。  CRTのコントローラはこの復帰が始まった瞬間に割込信号を送ってくれる  ので、CRTを直接制御するブログラムはこの光が出ていない時間にCRTに  対する各種のデータ書き変え・制御を行わなければならない。垂直復帰  時間はかなり長いので、多くの処理はここで行えるが、それでは足りな  い場合、水平復帰時間も使用することがある。
CRTの周波数 CRTの画面を表示する速度のこと。CRTの画面は上記で説明し  たように、1本の走査線が画面全体を走り回って1枚の絵(フレーム)を描  いている。このフレームを1秒間に何枚表示するかというのが、周波数  (フレーム周波数)である。    ただし、伝送にかかる時間あるいは電子銃を制御する時間と、残像の維持  時間の関係で、ある程度より遅い周波数の場合は、まじめに毎回全画面を  走査していたのでは画面がちらついてしまう。そこで、1回目は偶数番目  の走査線を走り、2回目は奇数番目の走査線を走る、などということがよく  行われる。これを「飛越し走査」(インターレース)と呼んでいる。    この場合、1回の飛越し走査をフィールドと呼ぶ。垂直復帰は1フィールド  ごとに起きることになる。このフィールドの表示速度は「フィールド周波数」  で、インターレースが行われている場合、フレーム周波数はフィールド周  波数の半分になる。    日本のテレビ放送ではインターレース方式で1秒間に60枚の画像を送って  いるので、フィールド周波数は60Hz, フレーム周波数は30Hz になる。    近年のCRT製造技術では、実際にはこの伝送されてきた画像を表示する  速度よりはるかに速く電子銃を制御することができる。そのため行われて  いるのは、半分の走査線を受信した段階で、欠けている走査線を電子的に  補間してしまい(要するに勝手にでっちあげる)、インターレースせずに  画面に表示する方法である。    これを行うと、まじめに伝送されてきた通りに表示するのに比べて、大変  きれいな画面になる。どこかのメーカーがあたかも最近自分の所がやり出  したようなCMを流しているという噂もあるが、この方式のテレビは少な  くとも7〜8年前から出ているものである。    なお、水平走査の速度(1秒間に何本水平線を描くか)を水平走査周波数と  もいう。つまり、水平走査周波数はフレーム周波数に走査線の数を掛けた  ものである。たとえば、日本のテレビ放送(NTSC)は走査線が525本で1秒間  に30フレーム(60フィールド÷2)なので、水平周波数は525×30=15750 で  15.75KHz ということになる。    最近のパソコン用のディスプレイは一般にマルチシンクと呼ばれ、代表  的な操作方式の多くに対応しているので問題無いが、昔はパソコン毎にデ  ィスプレイの周波数や方式(特にインターレースをするかどうか)が異なり  ディスプレイ側も特定のパソコンだけに合わせて作られていたので、たい  へんであった。  →フレーム
CRTの走査線 CRTディスプレイの表示は実際には多数の線で構成されており  これを走査線という。詳しくはCRTディスプレイおよびCRTの周波数の  項参照のこと。  テレビ放送の場合は、画像を線で送っているため、この走査線の本数が多  いほど美しくなる原理になる。日本の現在のテレビ放送は525本であるが  ハイビジョンは1125本である。  パソコンのディスプレイの場合は、たとえば800×600のディスプレイでは  走査線が600本あることになる。  昔のファミコンの表示は走査線が240本であった。(256の下の16個をパレッ  トに使用したため240になった。当時のハードの価格情勢ではやむを得ない)  現在のプレイステーションなどの走査線は480本である。
CRTのドットピッチ カラーのCRTディスプレイでは3原色に対応した赤・青・  緑の蛍光体を1セットにして、表面に敷き詰めている。このセットの間の  距離をドットピッチという。基本的にはこれが小さいほど、細かく蛍光体  が並んでいるので、くっきりとした画像が表示できることになる。  →シャドウマスク
CRTフィルター CRTの前に取り付ける透明なプラスチックの板のこと。目的  としては、太陽の光が入ってくるような場所で反射光をカットすることに  より画面が見づらくなるのを防いだり、コントラストを上げて見やすくし  たりするのと、目に有害な周波数域の光をカットして、使用者の健康を守  るためである。  ただし、市販の品で実際に健康に効果のある商品はひじょうに少ないとい  われる。気休めの部類に入るものも多いようである。これが流行った頃は  中には取り付けるとコントラストが上がるのではなく単に明度が落ちて、  よけい目が疲れるという粗悪品もずいぶんあった。そういうのに限って  1枚数万円などという結構な値段がした。  最近はCRTディスプレイ自体にそういう加工をするようになったため、余り  使われなくなった。1970年前後には家庭用テレビでもこれが流行ったが、  やはりテレビ自体に加工がされるようになり、商品としては消滅している。