CPU (Central Processing Unit) 中央処理装置。コンピュータの脳にあた 
 る部分。演算回路、命令解析回路、置数器(レジスタ)などからなる。 
  
 ■ビット型 
  以前、CPUはデータの取り扱いの単位により 4bit,8bit,16bit,32bit, 
  64bit型などに分類できるとされた。この話は現在でもある意味で正し 
  いが、ある意味ではあまり正しくもなくなってきている。 
   
  ○○ビット型というのは、基本的にはCPU内部のデータバスのビット 
  数をいうというのが一般的な認識である。こういう、ややこしい言い方 
  をしなければならなくなったのは恐らく i80386 あたりからではないか 
  と思われる。i80386のひとつ前の i80286 は一応16ビットCPUである 
  がアドレスバスは24ビットであった。このことは当時CPUの構造に詳しく 
  ない人たちを戸惑わせ、最初i80286を32ビットCPUと誤解する人もあった。 
   
  i80386ファミリーの場合、標準タイプ(後に386DXと呼ばれる)は完全な 
  32ビットCPUであったが、そのあと出た廉価版の386SXは外部データバス 
  が16ビットになっていた。またPentiumProになるとアドレスバスは36 
  ビットになっている。 
   
  なお、どこかのメーカーが32ビットのCPUを2個搭載して「64ビット」と 
  称したことがあるが、通常はこういう言い方は認められない。時速60km 
  の車を2台つないで走っても時速120kmにはならないようなものである。 
 ■インテル社のCPU 
  インテルは現在のパソコンの標準CPUであるPentiumシリーズを作ってい 
  るメーカーである。インテルはICの発明者の一人であるロバート・ノイス 
  が設立した会社であるが、1971年頃、ビジコンから出向してきた嶋正利 
  とインテルのテッド・ホフ、フェデリコ・ファジンらがi4004という 
  世界最初のマイクロプロセッサを開発。これがやがて8086,80286,80386, 
  Pentium,PentiumIIIなどと発展してきた。 
  【インテル社が開発した主なCPU】 
  名称    年  bit数 Clock 外部DtBus  
  i4004   1971 4bit 769KHz 4bit? 世界初のマイクロプロセッサ 
  i8008   1972 8bit 500KHz 8bit? 初の8ビットCPU 
  i8080   1974 〃   2MHz 8bit? パソコン文化を生んだCPU 
  i8086   1978 16bit  8MHz 16bit MSDOSのベースとなったCPU。 
  i80286   1982 16bit 12.5MHz 〃  Windowsは最初このCPU上で動いた。 
  i386    1985 32bit  20MHz 32bit マルチタスクの普及を促す 
  i486    1989 〃   25MHz 〃  命令の高速化. 
  Pentium  1993 〃   60MHz 64bit パイプライン方式の導入 
  PentiumPro 1995 〃  200MHz 〃  分岐予測の強化 
  MMXPentium 1997 〃  233MHz 〃  マルチメディア命令装備 
  PentiumII 1997 〃  300MHz 〃  SECCの採用 
  Celeron  1998 〃  266MHz 〃  PentiumIIの廉価版 
  PentiumIII 1999 〃  500MHz 〃  SIMD搭載 
  Itanium  2000? 64bit  ?  64?  次世代の標準になるか? 
  【インテルの傍系CPU】 
  ●Z80 
   8080の開発スタッフが独立して作った会社ザイログから出たもの。Z80 
   及びその互換CPUは1980年代半ば頃はオフコンのCPUとして広く使われ 
   た。最近ではゲームボーイのCPUとして使用されている。 
  ●μPD780 
   日本電気のPC88シリーズのCPUとして名高い。日本電気の技術陣がZ80 
   の命令一覧表を見ながら独自に開発したもの。ザイログとライセンス 
   契約を結ぶつもりだったが何故かザイログが拒否したので、見切発車 
   で使用したとも言われるがこの辺りの詳細は不明。そういうわけで 
   内部構造はまるっきり違うが機能はZ80の完全互換である。 
  ●V30 
   正式にはμPD70116という。日本電気が開発したVシリーズの中では 
   最も有名なものである。基本的にはi8086の上位互換CPUで処理速度が 
   上がっている。日本電気はPC98シリーズ上に80286を搭載しはじめて 
   からもしばらくはV30固有の機能を使っているソフトのためにV30と 
   CPUを切り替えて使える、ツインCPUのマシンを出していた。 
  ●AMD社のCPU 
   AMDではインテル社の互換CPUを製造している。名称としては 
    Am386, Am486, Am5x86, 
    K5, K6, 
    Athlong 
   などといったものである。内部構造はほとんどRISCらしい。 
  ●Cyrix社のCPU 
   Cyrixもインテル社の互換CPUを製造していた。名称としては 
    Cx486, 5x86, 6x86, MediaGX, MII 
   などといったものである。同社は1997年にNational Semiconductorに 
   吸収合併された後、1999年には更にVIA Technologies に売却された。 
 ■モトローラ社のCPU 
  モトローラはインテルに続く第二のCPUメーカーである。ここで第二と 
  いうのは売上のことをいうのではなく、独自の仕様のCPUを開発し広く 
  使われているという意味でのことである。アップルのマッキントッシュ 
  シリーズは一貫してこのCPUを使用している。またモトローラのCPUは 
  初期の頃のワークステーションでよく使用された。 
  【モトローラ社が開発した主なCPU】 
  1974 6800  8bit  1MHz 4000トランジスタ 
  1979 6809  8bit  1MHz OS9を動かしたことで有名なCPU 
  1979 68000 16bit 12.5MHz 初代マックや初代サンのCPU 
  1984 68020 32bit  20MHz マッキントッシュIIのCPU 
  1987 68030 32bit  20MHz このCPUのver.2からMMUを搭載した 
  1990 68040 32bit  20MHz マッキントッシュQuadraに使用された。 
  1995 68050 32bit  ?   これはほとんど使用されていない 
   
  【モトローラがIBM・アップルと協同開発したCPU】(PowerPC) 
  1993 601  G1 PowerMacやIBM RS/6000に採用 
  1995 603  G2 601の省電力版 
  1995 604  G2 601の後継で分岐予測の精度が上がっている 
  1997 750  G3 バックサイド・キャッシュを採用 
  1997 740  G3 750の廉価版 
  1999 7400 G4 マルチメディア命令AltiVec搭載 
  2001? 75xx G5 64ビット化されそうな感じ。 
  【モトローラの傍系CPU】 
  ●6502 
   モステクノロジー社の製品。直接の系列という訳ではないが、同社は 
   モトローラの技術者がスピンアウトして設立した会社である。 
    
   Steve WozniakはビジネスショーでこのCPUを見かけ惚れ込んでしまっ 
   た。近くのホテルにモステクノロジー社の社長夫人を訪ねてこのチップ 
   を売ってもらう。そして組み立てたのが初代アップルである。アップル 
   社はこのマシンのシリーズを販売するために設立された。 
    
   このCPUを搭載したマシンはヤマハなども出したが、なんといっても 
   任天堂のファミコンに搭載され、全世界でたぶん4000万人ほどのユー 
   ザーを産み出したことが大きい。 
    
   なお、モステクノロジーは後にコモドールに吸収合併された。 
    
 ■RISC系のCPU 
  RISCについて詳しいことは同項参照のこと。この系列のCPUとしては 
  下記のようなものがある。 
   
  ●SPARC 
   サンが同社のワークステーションに使用しているCPU。一時期はワーク 
   ステーションといえばまずサンだったので、そういう意味ではPentium, 
   PowerPCと並ぶ、標準CPUのひとつである。 
  ●Alpha 
   DECが開発したCPUで世界初の実用64bitCPUである。ただこのCPUの性能 
   を充分に引き出すOSは、開発されて7年たった今でも無いと言わざるを 
   得ない。一般にはUNIXかWindowsNTが動いている。DECは1998年にコン 
   パックに吸収され、現在は同社で開発が続いている。 
  ●MIPS社のCPU 
   R300,R4000,R5000,R8000,R10000 などと先頭に R がつく型番で親しま 
   れている。なおMIPSは1992年にシリコングラフィックスに吸収された。 
   シリンコグラフィックスは1996年にはクレイも吸収しており、同社は 
   現在高速コンピュータの技術を持つ企業の最右翼ともいえる。 
  ●その他 
   IBMのPower, モトローラの88000系, インテルの80860系などがある。 

CPU_ID →x86 family CPU ID