イリジウム (Iridium) 世界中どこからでも使える衛星携帯電話。 
 従来衛星を使った通信というと、赤道上空36,000kmの円軌道を地球の自転と 
 同じ速度で周回する静止衛星を使用するケースが普通であった。しかし 
 静止衛星の軌道は混雑しているし、高度が高いので強い出力の端末でなけ 
 れば通信できないし、衛星経由にして通信距離が長くなるため会話が遅れて 
 聞こえるといった問題もあった。(往復7.2万km走るのに電波は0.24秒かかる) 
  
 これに対してイリジウムは高度わずか780kmの極軌道を周回する66個の低軌道 
 衛星で全地球をカバーしようという、静止衛星電話の欠点をひっくり返す 
 逆転の発想をしたものである。衛星の距離が近いので低出力の端末で構わない 
 し、通信距離が短いから会話の遅れもほとんどない。 
  
 「イリジウム」の名前は当初全地球を77個の衛星でカバーする予定だったの 
 で、原子番号77のイリジウムにちなんで付けられたものであるが、その後 
 技術的な革新から66個でも大丈夫ということになり、計画が変更されて 
 66個の衛星でカバーされることとなった。(実際に打ち上げた衛星は88個 
 で幾つかトラブルが起きたものを除いた残りは予備として待機させている) 
 イリジウムはその発想が目新しかったことから、特に世界を飛び回るビジネス 
 マンや海外で取材をおこなう報道機関などに広く受け入れられた。そしてこれ 
 こそが新しい携帯電話の標準になるのではと言われた時期もあるのだが、この 
 システムには致命的な欠点があった。 
  
 それは衛星を利用しているので衛星の見えない場所での通話ができないという 
 ことである。 
  
 近年のGPS携帯を利用している人なら、GPSの定位が室内や地下街ではできない 
 ことを不便に感じている人もあるであろう。あれは自分のいる場所を知りたい 
 時にだけ使えないからまだいいのであるが、イリジウムは衛星と通信しながら 
 でなければ通話できないので、結局屋外か窓際でなければ、通話ができなかった 
 のである!! 
  
 このためイリジウムの利用者は思ったほど伸びず全世界での加入者はわずか 
 5万人に留まった。人工衛星を66個も運用しながらわずか5万人の加入者の使用 
 料金ではとても採算が取れない。そこでイリジウムは行き詰まり、経営破綻。 
 2000年3月にサービスを終了した。イリジウムに出資していたモトローラや 
 京セラなどでは経営責任を問う声もあった。 
  
 イリジウムの衛星は売却を検討されたものの買手が現れず、一時はすべて墜落 
 させて大気圏で燃やしてしまう方針が決められた。しかしそれが実行される前に 
 救いの主が現れた。それがカナダのStratos Global Corporationである。 
  
 Stratosは2000年11月、この衛星の権利をわずか2500万ドル(30億円,*1)で 
 買取り、これをイリジウムとは発想を変えて、新しいビジネスの道具として 
 使い始めた。このStratosが経営する新イリジウムが最初にターゲットにした 
 のは海運業や航空業などの企業ユーザーと防衛関係である。米軍からも大きな 
 契約の取得に成功している。 
  
 (*1)イリジウムが衛星ネットを作るのに掛けた費用は50億ドル(6000億円)。 
  
 同社は現在の所個人向けの販売には消極的である。「旧イリジウムは世界中を 
 飛び回るビジネスマンをターゲットに考えたが、そんな人はたくさんはいない」 
 とStratosは言う。 
  
 これに対して船舶の場合、大型の船なら通信用に静止衛星インマルサットなど 
 と通信する設備を持っているがアンテナをそちらに向けるための作業が必要で 
 ある。しかしイリジウムの携帯電話であれば、いつでもすぐ自動的に衛星を 
 捕捉して通信できるので、突然の事故などがあった時にも困らない。これは 
 大きなメリットである。また一般の無線よりもずっと傍受されにくいのも企業 
 や軍関係には嬉しい仕様である。 
 新イリジウムが多くの企業に支持されたのは2001年9月にアメリカで起きた 
 大規模なテロの影響もある。このテロによりニューヨークの機能が一時的に 
 麻痺。これにより通信のインフラのセンターをニューヨークに置いていた 
 多くの企業で業務に多大な影響が出た。その反省に基づき、人工衛星までは 
 さすがにテロは及ばないであろうという考えから、イリジウムは注目された 
 のである。 
 旧イリジウムについては日本法人が1993年に設立され開業準備を進めていた 
 が1998年にやっと運用が始まったと思ったら2000年3月にサービス停止に 
 追い込まれてしまう。しかしStratosは2002年3月には新たに日本での営業 
 拠点を設置して、国内の企業へのサービス販売を開始した。 
 →LEO,機内インターネット

イリジウムフレア (iridium flare) イリジウム衛星は低軌道を周回して  いる上に通信用のアンテナはひじょうに反射率の高い素材で作られている  ため、夜空を通過する時に太陽との相互関係が良いとほんの数秒だが、  強い閃光を発する。この輝きは最高で-7等星相当、つまり金星(明けの明星・  宵の明星)の約100倍もの輝きを持つ(そこまで明るくない時もある)。これ  をイリジウムフレアと呼ぶ。イリジウム衛星はひとつの極軌道に11個も飛んで  いるので、イリジウムフレアは1晩に1度程度は光る、よく起きる現象であり、  知らない人がUFOと間違うこともあるという。    イリジウム衛星の軌道は全て分かっているので、それをもとにいつフレア  が発生するかを予測するソフトなどもある。
入れ子 (いれこ,nesting) ひとつの構造の中にまた別の構造があること。  たとえば下記は入れ子の例である(forの入れ子:forの中にまたforがある)     for (i=0; i<m maxrow; i++){     for (j=0; j<m maxcolumn; j++){       &CheckValue(i,j);     }   }  下記も入れ子の例である(サブルーチンの入れ子:callした先でまたcallしている)  call printpage();  -----------  sub printpage {    call printhead();    call printcontents();    call printtail();  }  現在パソコンなどで動作するプログラムを作るための言語では入れ子の個数  に制限は無いが、低機能の処理系を使用する場合、入れ子は何重までしか  使えないなどといった制限のあることもある。  →再帰呼び出し