アニメーション (animation) 動画。動いて見える絵。略してアニメ。 
  
 現在ではコンピュータ上では、とにかく動く絵は全て動画(animation)と 
 呼ばれており、元々人が描いた絵(CG)なのか俳優などの動きを撮影して 
 キャプチャしたものかは問わない。映画やテレビの世界では人が描いた 
 ものだけを動画と呼んで、俳優が演じたものは「実写」と呼んで区別する。 
  
 ただ最近ゲームの分野では実際の人の動きをモーションキャプチャした 
 ものが生まれてきており近い将来には人気アイドルの姿と動きと声を 
 キャプチャ・サンプリングし、実際に本人が演技した訳でもないのに、 
 そのアイドルが主演している映画などというのも登場することが予測される。 
 また既に、完全に仮想の存在であるバーチャルアイドルが普通の俳優と 
 共演したCF(テレビ用広告)などが登場したり、試作レベルでは俳優の 
 身体の一部をCGで置換したビデオ作品などもできていることなども考えると 
 将来的には実写と動画の区別は消滅するであろう。 
 コンピュータ上で動画の技術が注目されるようになったのは何と言っても 
 1991年にアップルが開発したQuickTimeがリリースされてからである。 
 デモで配布されたサターンV型ロケットの発射シーンがマッキントッシュの 
 画面の片隅に小さく映し出されたのを見た時、世界中の技術者たちがその 
 将来性に期待して心を躍らせたであろう。 
  
 その後、動画の規格ではQuickTimeの対抗馬としてMicrosoftが制作した 
 Video for WindowsがWindows3.1の普及とともに広がり、一方で高品質の 
 動画の規格として一部の人たちが専用ボード対応のMPEGにも注目していた。 
  
 ところが1995年にIntelの高速CPUP54Cのパワーを使って専用ボード無しで 
 MPEGを見ることのできるソフトが登場した(しかも多くの人が事実上無償で 
 入手できた)ことから、結局動画の標準規格はMPEGということでほぼ確定した。 
 ただし色数が少なかったり動きが単純だったりする動画は制作作業が楽な 
 ことから、QuickTime, やVideo for Windows(Windows Media)で配布 
 されていることも多い。 
  
 現在動画の規格としては、上記で述べたQuickTime, Windows Media, 
 MPEG のほかに、ストリーミング形式のReal Videoなどがある。また 
 それ以外にホームページ上で短いエンドレスのアニメを流す 
 アニメーションGIF, 対話型のアニメを作るFlash, Shockwave などの 
 規格がある。またDHTML,Javaなどで動画を作ることも可能である。 
  
 Javaで動画を作るのは結構大変なのであるが、FlashやShockwaveは利用者が 
 自分で専用プレイヤーをインストールしておかなければ使えないのに対して 
 Javaはブラウザを導入する時に一緒に入るケースが多く普及度が高いこと 
 からJavaで動画を作っている例も多い。 
 →SFX,MPEG,Flash,ホログラフィー,クロマキー

アニメーションの起源  アニメーションのルーツとしてよく言われるのは、1825年にJohn Ayrton,  William Henry Fitton, らが提唱した Thaumatrope(ソーマトロープ)である。  この発明者については他にも幾つかの説がある。これは丸い厚紙の両面に  ふたつの絵を描き、両端に棒を付けて手でくるくる回すものである。すると  表と裏の画像が合成されて見える仕組みで、現代では子供雑誌のオマケなど  にもよく使用されている。ソーマトロープは走馬燈の語源という説もある。    1833年にブリュッセルの数学者Joseph PlateauはPhenakistscope  (フェナキストスコープ, 驚き盤)という仕組みを考案した。これは円盤の  円周にそって絵が描かれており、スリットを通して鏡に映った回転円盤を  見ると絵が動いて見えるものである。ソーマトロープでは絵は合成される  だけという感じであったが、ここで初めて「動く絵」が出現したのである。    1834年にWilliam George Horner はZoetrope(ゾートロープ)という仕組みを  考案した。これは円盤ではなくスリットの入った円筒形の内側に絵を描いて  やはりスリットを通してみると中の絵が動いてみるものである。ゾートロープ  の大きなメリットは鏡を使用しないことで簡便であることと、同時に複数の  人が鑑賞することが可能な点である。    なお年代がはっきりしないが、Phenakistscopeを改良して鏡を使用せずに円盤  に描かれた絵が動いて見えるヘリオシネグラフ(Heliocinegraph?)というものも  存在する。ひょっとするともっと新しい時代のものかも知れない。    アニメの歴史の上で特筆すべきなのは1877年にEmile Reynaudが発明した  Praxinoscope(プラキシノスコープ)である。初期の物はゾートロープの  改良型でスリットを通してみる代わりに鏡に映してそれを覗き込む形式だっ  たが、1882年にこれを壁面に投影する方式に改良した。彼はこの方式で映画  の上映をする興業を1888年に開始。1892年10月28日パリにTheatre optiqueと  いう劇場を設置して大勢の客でにぎわった。当時15分にも及ぶ長いアニメも  制作していたという。    こういう業績を考えるとレイノーを「アニメの創始者」と呼ぶべきであろう。  一方発明王エジソンも1891年にコダック製の35mmセルロイドフィルムを使用  して「のぞきからくり」方式のkinetoscope(キネトスコープ)を開発。1895  年にはリュミエール兄弟が現在の映画の原型となる cinematographe  (シネマトグラフ)を完成させ、その後映画の歴史が始まる。
アニメーションの種類  初期のアニメーションは全ての絵を直接描いていたが、John Randolph Bray  が1914年頃に背景を別に描いて人物画に重ねて写真撮影する方式を考案。  アニメ制作の手間を画期的に小さくすることに成功した。    この重ねる透明なシートはセルと呼ばれ、このセルアニメーション方式  は、その後80年ほどに渡ってアニメ制作の主流となった。    写真撮影してアニメーションを作るというアイデアは色々な応用を生み出した。  人形を少しずつ動かしながらコマ取り撮影する人形アニメーション,粘土の  造形を少しずつ変形しながらコマ取り撮影するクレイアニメーション,  などである。    初期のディズニーのアニメなどは全てのコマが描かれていたため、キャラクタ  がとても優雅な動きをし、ディズニーの特徴となっていた。このようなアニメ  をフルアニメーションという。しかしテレビのアニメ番組などは限られた  時間にかなりの量の撮影をしなければならないため、同じ構図の絵を数コマ  連続して撮影したり、人物が歩いている所などは右足前と左足前の2パターン  だけを繰り返し撮影したりなど、かなり手間を抜いて撮影する。このような  ものをリミッテドアニメーションという。一般にフルアニメーションでは  1秒間に24コマ分の絵を使用するが、リミッテドアニメーションでは1秒間に  8コマ分程度の絵しか使わない。  1990年代に入ってから、CGによってアニメーションを制作することが行われ  るようになってきた。CGのソフトウェアを使用すると、人物の最初と最後の  状態の絵さえ描けばその途中の絵は自動的に補間してくれる。また彩色なども  コンピュータの画面上であれば一瞬で終わる。    初期の頃はコンピュータの反応速度が遅いことや製作用ソフトの機能も低か  ったことから、CGでアニメを制作するほうが手間も時間も費用もよけいに  かかっていた。しかし2000年頃を境にパソコンの性能向上とソフトの機能up  でこちらのほうが高速で安価になってきており、現在アニメの制作は次第に  CG方式に移行しつつある。    そしてCG方式の場合、フルアニメーションの制作が容易であること、3Dの  アニメーションが作れることなどから、アニメーションの新たな分野が開拓  されていこうとしている。  ただ何十年も行われてきたセルアニメーションがCGアニメに対して独特の  「美しさ」を持つと指摘する人もあり、今後CGアニメの中に  「セルアニメ的表現」をどう加えていくかが課題であるとも言われる。