冬の星座(モーリーダーリン)

↑


↓自動再生はオフにしているのですが、一部のブラウザではそれを無視して自動再生されてしまうようです。音が邪魔な場合、恐れ入りますが停止ボタンで停めて下さい。
この特集も今日を含めてあと2回で終わりです。積み残した曲もあるのですが
。。。来年でしょうか(^^;; バレンタインで書けるものもあるかも知れませんが。

今日は堀内敬三(1897-1983)の『木枯らし途絶えて....』という訳詞で知られる
歌で、中学の教科書にも載っているので知名度の高い「冬の星座」です。

Mollie Darling                         愛しのモリー

Won't you tell me Mollie darling,      モリーちゃんに伝えてよ
That you love none else but me?        僕だけを愛して欲しいと
For I love you Mollie darling,         だって僕はモリーを愛してるから
You are all the world to me.           君は僕にとって全ての世界なんだ
O! tell me, darling, that you love me, ああモリー、愛してると言って
Put you little hand in mine,           君の可愛い手を僕の手に重ねて
Take my heart, sweet Mollie darling,   僕のハートを取って、愛しいモリー
Say that you will give me thine.       そして君のハートもくれると言って

(Chorus)
Mollie, fairest, sweetest, dearest,    モリー、綺麗で優しくて可愛くて
Look up, darling, tell me this;        顔をあげてモリー、好きだと言って
Do you love me, Mollie darling?        ねぇモリー、愛してるかい?
Let you answer be a kiss.              答えはキスでいいからね

Stars are smilling, Mollie darling,    星が微笑んでるよ、モリーちゃん
Thro' the mystic vail of night;        夜の不思議な帳を通して
They seem laughing, Mollie darling,    星が笑ってるみたいだ、モリーちゃん
While fair Luna hides her light;       お月様が光を隠しているから
O! no one listens but the flowers,     ああ、花だけが聴いている調べ
While they hang their heads in shame.  その花たちも恥ずかしがって顔を伏せてる
They are modest, Mollie darling,       花たちは奥ゆかしいね、モリーちゃん
When they hear me call your name.      僕が君の名前を叫ぶ時なんだけど
(Chorus)

I must leave you, Mollie darling,      モリーちゃん、そろそろ行かなきゃ
Tho' the parting gives me pain;        離れているのは辛いけど
When the stars shine, Mollie darling,  でも星が輝き始めたら、モリーちゃん
I will meet you here again.            また君とここで会えるよ
O! goodnight, Mollie, goodbye, loved one, おやすみ、モリー、さよなら愛しい人
Happy may you ever be,                 ずっと幸せでありますように
When you're dreaming, Mollie darling,  そして夢を見る時はね、モリーちゃん
Don't forget to dream of me.           僕の事を夢見るのを忘れないでね
(Chorus)

無粋な解説を加えると三番の歌詞は別れなきゃと言っているのではなくて、
デートが終わって家に帰らなきゃと言っているものです。ですからまた夜に
なったらやってくる、というわけです。やはり結婚の基本は夜這いか??

さて、こんな楽しい恋歌がなぜ格調高い「冬の星座」になるのかはとても
不思議なのですが(^^) 誰かが、文部省唱歌も讃美歌も「大いなる替え歌集
である」と言っていたような、言っていなかったような。

現在は堀内の「冬の星座」の歌詞で歌われることが多いのですが、堀内の詞は
昭和22年の文部省編集教科書に発表されたもので、それ以前は国文学者で
宮内庁御歌所寄人も務めた中村秋香(なかむらあきか,1841-1910)が付けた
「他郷の月」という歌詞で歌われていました。

中村版の歌詞が入手できていないのでそちらは不明ですが、堀内版では元歌の
コーラス部分が欠落しています。この部分の旋律はなじみのない方も多いと
思いますが、MIDIではその部分まで入れておきました。

元歌のMollie Darlingは William Shakespeare Hays (1837-1907)という人が
作詞作曲したもので1872年の作品です。なんともすごいミドルネームなのです
が(^^; ひじょうに多数のヒット曲を出している人で、なかでもこのMollie
darlingは300万枚!!も売れた、彼の代表作です。日本でなら「だんご三兄弟」
や「およげ!たいやきくん」クラスの超メガトン・ヒット曲です。

ウィリアム・シェイクスピア・ヘイズは1837年7月19日ケンタッキー州Louisville
で生まれ生涯に350ほどの曲を書きました。1865年にベルという人と結婚し3人の
子供が出来ています。その3人各々が生まれた時の歌があります。最大のヒット曲
はMollie darling(冬の星座)ですが、他にも初期の名作Evangeline(1862),とても
楽しいAngels Meet Me at the Cross Roads(1875), Susan Jane(1871)などのほか、
犬童球渓(1884-1943)「故郷の廃家」の題でも知られるMy Dear Old Sunny Home
(1871)などもあります。下記のサイトに主要作品が歌詞とMIDI付きで取り上げら
れています。http://www.pdmusic.org/hays.html

なおこの曲としばしば混同される「星の界」についてはこちら
↑


(C)copyright ffortune.net 1995-2016 produced by ffortune and Lumi.
お問い合わせはこちらから