クリスマスに寄せて

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(by カザイル)


※この記事はNIFTYのFFORTUNEに1996年に書き込まれたものです。

クリスマスはなぜ12月25日なのでしょう?

四世紀に教皇ユリウス一世が、キリストの誕生日を公式に12月25日に定めると布告をだしたとか、325年のカトリック教会の最高会議で決ったとかだそうです。

12月25日はペルシャの太陽の神様のミトラ神の誕生日です。また、ローマ帝国では、ジュピターにとじこめられた農耕の神サトゥルヌスが年に一度の短い期間だけ解放され、そのお祝いのお祭、サトゥルナーリア祭が12月17〜24日まで続き、翌日から新年になりました。そして北欧では、12月の十日間または十二日間がユールの日とされ、お祭りをしていました。

かつて、東方教会では1月6日がキリストの誕生日として祝われてきたし、エルサレムの教会では594年この日をクリスマスとしていたそうですし、アルメニアではいまでも旧暦の1月6日にクリスマスを祝うそうです。

キリスト教は異教徒をとりこむために、異教の冬至の祭りをキリストの誕生日としたのでしょう(どうせ何月何日生まれなんてはっきりしてないのだし^^;)。だけれども、今日のクリスマスのイエス様不在なにぎやかしいお祭りは、飲んで騒いで宴会して、太陽が闇に勝つのを願った冬至のお祭りとして、これはこれで間違ってはいないのかも、とか思うんでした。

クリスマスツリーのこと

昔々、ドイツでは樫の巨木が崇拝されてたんである。それを、キリスト教伝道師がモミの木にすりかえたんだそうだ(^^;)。なんで、モミの木?モミの木は三角形に見えるから。聖なる3。三位一体である。父なる神が頂点で、底辺の両端に子と聖霊が位置する。木を崇拝することはそのままで、その対象を樫からキリスト教の三位一体をあらわすモミの木へ。

しかし、クリスマスツリーがドイツから世界につたわるのは十九世紀のことであった。ラテン系諸国ではツリーはカトリック教会がそういう異教の偶像崇拝許し難しと頑張ったのか、はやってはいないそうである。

サンタクロースの正体は?

聖ニコラウスがサンタクロースになまったと言われてます。有名な話かな。敬虔なクリスチャンのお金持ちのニコラウスは、匿名で貧しい人たちにお金を施していた。あるとき、もう娼婦になるしかないって娘んとこに夜、金をこっそり投げ入れてた。当時、若い女性は靴下を洗ったあと夜風でかわかすため窓際に干していたらしい。ニコラウスはその靴下の中に金を入れたのでないか、と。クリスマスに靴下を下げておくとサンタさんがプレゼントをそこに入れてくれるというのはそれに由来するらしい(^^;)。

しかし、トルコ出身のはずの聖ニコラウスはなにゆえ、トナカイに乗り北欧からやってくるイメージなのか??それはファーザー・クリスマスと混同されているかららしい。そのクリスマス親父とは、「冬」の扮装をした人間である。「冬」、つまりクリスマス親父は宴会にまねかれ飲み食いをすすめられ手厚くもてなされる。冬がすこしでも穏やかであるように「冬」をもてなすことで冬のごきげんをとっているのだ。

ヴァイキングたちのその風習がイギリスに伝わり、「冬」は「オールドウィンター」「オールド・クリスマス」「オールド・ファーザー・クリスマス」と呼ばれるようになった。そして、フィンランドの言い伝えではファーザー・クリスマスは煙突から入ってくる。古代ラップランドではおうちは地中のトナカイ皮でつくられたテント。そして入口は、テントの地表に出てる上部に開けた穴、煙の抜け道、つまり煙突。普通の西洋建築でない、テントの煙突兼玄関からサンタさんはやってくるのだ。それにラップランドならやっぱトナカイのそりですよね。

そして、1930年代まではサンタさんの衣装も色からいろいろあったそうである。だけど、今、サンタさんの衣装といえば赤に白のふわふわのふちどりのあの衣装しか考えられない。なぜか?誰かがあの衣装を考えたのである。そして、それはあのコカコーラさんだというのだ(^^;)。冬の販売促進キャンペーンにサンタを起用し、ハッドン・サンドブロムという画家がコカコーラの色の赤で、いまあるサンタ像をつくった。1931年のことであった。そして、そのキャンペーンが1960年代に終わってもみんなのサンタ像はすっかりあの赤い服で定着してしまったのだそうだ。しかし、十九世紀のドイツの画家モーリッツ・フォン・シュヴィントが描いたのが始まりだという本もある。

参考資料は「クリスマス小事典」遠藤紀勝・大塚光子 現代教養文庫 ¥680 「クリスマス・ウォッチング」デズモンド・モリス 屋代通子訳 扶桑社¥1,000 でした。価格は前のなんで値段は今はわからないけどそんな変ってないと思います。どちらもおもしろかったです。小事典の方が写真もいっぱい載ってて見るの楽しいしウォッチングの方は数々の疑問が解き明かされ「おお〜っ」って感じで楽しい。


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