■死刑が確定する
イエスは大祭司の所に連れて行かれ裁きを受けた。イエスを罪に陥れよう
と多くの偽証者が現れたが、確証がなかった。大祭司はイエスに彼らに反論
するよう言ったがイエスは何も答えなかった、
そこで大祭司は尋ねた「お前は本当にメシアなのか?」
その時初めてイエスは口を開いた。
「それはあなたがたが言ったことでしょう。しかし私は言っておきます。
あなたたちはやがて人の子が全能の神の右に座り天の雲に乗って来るのを」
それを聞くと大司祭は、まさかそれが本当のこととは思えなかったため、
こいつはイっちゃてる奴だと考え「神を冒涜するのか!?」といって怒り、
人々に「どうするべきか?」と聞いた。集まっていた人々はみな口々に
「死刑にしろ」と言った。
■誰を解放するか?
人々はイエスを総督ピラトの所に連れて行った。ピラトは再度自分で尋問 をして、イエスが何も反論しないのを不思議に思った。そしてイエスに罪 はなく単に人々の嫉妬を買っただけだと考えたので、イエスを助ける機会 を作ろうと思った。そこで民衆を集めて尋ねた。
「お祭りだから囚人を一人解放する。バラバにするか?イエスにするか?」
しかし民衆は口々に叫んだ。「バラバを解放しろ」と。ピラトはやむを得 ずイエスの死刑を決めた。
■ペトロ「イエスを知らない」と3度言う
ペトロはイエスの身を案じて、最高法院に潜んで来ていた。その時一人の
祭司長の女中がペトロを見とがめ「あなたもあいつの仲間じゃないの?」
と言った。
しかしペトロは「知らないぞ。何のことだ?」と言った。女中は更に回り
の人たちに「この人はイエスの仲間よ」と言った。ペトロは再び打ち消し
た。すると今度は回りの人たちが「確かにお前はナザレのイエスの仲間だ」
と言った。するとペトロは三度否定して「あなたがたが言っているそんな
人のことは知らない」と言った。
その時鶏が鳴いた。
ペトロは晩餐の後でのイエスの言葉を思い出し泣いた。
■十字架につけられる
イエスは二人の別の囚人とともにゴルゴダの丘で十字架にはり付けられた。
イエスの十字架にはその罪状として「INRI」(ユダヤ人の王、ナザレ のイエス)という文字が書き込まれた。十字架の上でイエスは 「エリ、エリ、ラマ、サバクタニ」と叫び、そのまま息を引き取った。
この言葉は「わが神、わが神、なぜ私をお見捨てになったのですか」と いう意味であるといわれている。
ここでロンギヌスという兵士が念のためイエスの脇腹に槍を突き刺した。
するとイエスの体から水が流れ出し、彼の目に入った。彼は目をわずらっ
ていたが、この時以来その目がよくなってしまった。
後に彼はキリスト教徒になり、その時の槍「ロンギヌスの槍」は聖遺物と
して大事に保管される。その一部は現在バチカンにある。
イエスの死を看取ったのはマグダラのマリア、小ヤコブとヨセフの母マリア、 キリストの母マリアの姉妹サロメの3人の女性であった。彼女たちと議員 のヨセフが総督ピラトに懇願してイエスの死体を引き取り、墓に埋葬した。>