士師の時代からイスラエル建国まで

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■士師の時代からイスラエル建国まで

 モーゼの後継者たちは部族間の抗争を繰り返しながら次第にアブラハムの  土地であるカナンに定着していった。部族間の抗争だけでなく、外部の部  族の侵入も激しく、大変な時代であった。

 やがてその士師たちの中から宗教的指導者サムエルと軍事的指導者サウル  が出て、二人の共同で全部族を統合した国家イスラエルを成立させた。し  かしやがてサウルの強引なやりかたが嫌われるようになりサムエルとの関  係も冷え込んで、麾下の将軍ダビデの台頭を招く。

ダビデに人気が出てきたことに嫉妬したサウルは彼を抹殺しようとする。
危険を感じたダビデはイスラエルを離れ、外国の傭兵隊に身を置く。しか し、やがてサウルは無謀な戦いで3人の息子とともに死亡。その知らせを 聞いたダビデは再びイスラエルを救うために、国に戻った。

 ダビデは南部の部族をまとめて南イスラエルの王になり、後サウルの娘ミ  カルを妻に迎えて北イスラエルを併合して、第二代の統一イスラエルの王  になる。彼は国家組織をよく整備し外交と軍事手腕に優れて、イスラエル  史上最大の賢王としてその業績が讃えられている。エレサレムが首都と定  められたのはこのダビデ王の時である。
 
 ダビデはエルサレムのモリヤの丘で神と契約を交わした。これはモーセが  シナイ山で交わした時以来のこととされる。ダビデはまた自らが神の意志  に反したことをしていないかチェックさせるため、神官を置き、間違って  いる時は自分を叱責する権利を与えた。またダビデは音楽と詩の才能に優  れており、聖書の詩編の大半は彼の作品であるという。

 しかしダビデは賢王ではあっても、聖人ではない。部下の妻に横恋慕して  その部下をわざと危険な戦場に送り戦死させたなどという話もあり、人に  よってはダビデのことを「悪徳王」と呼ぶ人もある。



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