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豆まき
豆まきでは年男(その年のえとの生まれの人:今年12,24,36,48,60,72,84,96,108,120歳になる男性)あるいは一家の主人が「福は内、鬼は外」といいながら煎った大豆をまき、みんな自分の年の数だけ豆を食べるとこれから1年病気にならないと言われています。また妊婦のいる家庭ではこの豆を安産のお守りにもします。もともと宮中の行事が一般家庭に普及したものとされますが、最近は大きな神社などで芸能人やスポーツ選手などを招いて豆まき大会をやっているケースも多いようです。
さて、この大豆ですが、硬いですね(^^) 硬いものというのは「木火土金水」の五行では「金」に属します。この大豆は最初煎ることによって火気にあてられ「火剋金」の原理で剋された上に、「鬼は外」といって外にまかれて捨てられたり、「福は内」といってまかれてから人々に食べられたりして、要するに豆はみんな「やっつけられてしまいます」。
古来疫病や災厄というのも金気に属するものと考えられていました。ですから豆というのは実は鬼をやっつける道具でありながら実は鬼そのものでもあるわけで、豆まきというのは邪気を祓うとともに、「金」の気を剋することで「金剋木」で金気に剋されるはずの「木」の気、つまり春の気を助ける行事、つまり春を呼ぶ行事でもあるのです。
豆まきの豆について
豆まきの豆について、重要なことのひとつは煎り豆を使うということです。万一生豆を使って、拾い忘れたものから芽が出るとよくないことがある、と言われています。
また近年、「下に落ちた豆を食べるなんてきたない」といって、大豆ではなくピーナッツを使う人たちが増えています。この風習は新潟地方から広まったようです。
なお、家庭によっては豆だけでなく、チョコレートやキャンディ、またお金を包んだものをまいたりもするようです。
鬼は外ではない?
一般的な豆まきの口上は「鬼は外、福は内」で、少なくとも室町時代にはこの口上ができていたらしいのですが、そう言わないところも数多くあります。これは豆まきの風習が全国に普及していくなかで出来ていったバリエーションではなかろうかと思われます。
例えば起源がはっきりしているものとして、福島県の二本松地方では「鬼は外」とは言わないか、あるいは「鬼外」と「ワ」の音を抜かします。これは二本松藩の殿様は丹羽氏なので、「鬼は外」と言うと「お丹羽様外」になってしまうからだといいます。
恐れ入谷の鬼子母神
川崎市の千蔵寺
愛知の大須観音は「福は内」だけ
埼玉県の武蔵嵐山の鬼鎮神社(きじんじんじゃ)
奈良市中院町の元興寺
奈良県の天河神社
新宿歌舞伎町の鬼王神社(きおうじんじゃ)
つくば市の鬼ヶ窪地区
群馬県鬼石町
佐渡両津の山本家
宮城県村田町では「鬼は内、福も内」
熊野本宮宮司の九鬼(くがみ)家
綾部の大本教本部
その他豆まき文句のバリエーション
豆まきの時のセリフのバリエーションについても民俗学で研究がおこなわれているようです。
基本的な話として「鬼は外」と「福は内」のどちらを先に言うか、とか、それぞれを何回言うか、というのが地方によって異なっていたようです。ただし最近ではこの付近の風習はどんどん曖昧になってきているようです。
今そういう習慣が残っているかどうかは分かりませんが、「富は内」というのが加わるところもあったようですし、「大荷(おおに)は内」などというのが入るところもあったようです。また、「鬼の目玉ぶっつぶせ」というのが加わるところ、かけ声?で「ごもっともさま」というのが入るところなども文献上は記録されていますが、今でもこういうのをやっているかどうかは分かりません。
