菊花開(きくのはなひらく)は七十二候のひとつ(寒露次候)で、現在行われている「定気」法では、太陽の視黄経が200度になった時を言います。毎年だいたい10月12日〜10月14日頃に来て、その後約5日間がこの候の時期となります。
宣明暦では「雀入大水為蛤」、貞享暦では「蟋蟀在戸」、宝暦暦・寛政暦では「菊花開」、略本暦では「菊花開」と記載されています。
前の七十二候は鴻雁来、次の七十二候は蟋蟀在戸です。菊の花が開く頃ということ。確かに菊は秋の花というイメージを持っている人が多いのではないかと思います。実際には、菊も色々な種類があって、夏に咲く夏菊、秋に咲く秋菊、冬に咲く寒菊とあります。春に咲く菊だけが無かったので、現在は「電照菊」の手法で育てられ、春のお彼岸の頃にも菊は花屋さんの店頭に並びます。
菊は皇室の紋章(十六葉八重表菊紋)として知られており、桜と並び日本の国花に準じる花とされます。日本国のパスポート表紙にも(八重ではない)十六葉菊表紋が印刷されており、日本の在外公館にも同じ十六弁菊表紋が掲げられていて、この模様は国際的にも日本の国章に準じるものとして保護されています。
菊が皇室の象徴として定着したのは、後鳥羽上皇が菊の模様を好みよく用いたことがきっかけとなったものといいます。江戸時代には幕府が菊の模様の使用を自由化したため、寺社の紋章やお菓子の意匠などにも十六葉菊模様の使用が広がりました。明治時代以降は規制されたため使用は自粛されましたが、寺社には使用が許可されたため、現在でも多くの神社・仏閣でその模様を見ることができます。
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七十二候 | 初春 東風解凍 黄鶯見完 魚上氷 土脈潤起 霞始靆 草木萠動 仲春 蟄虫啓戸 桃始笑 菜虫化蝶 雀始巣 桜始開 雷乃発声 晩春 玄鳥至 鴻雁北 虹始見 葭始生 霜止出苗 牡丹華 初夏 蛙始鳴 蚯蚓出 竹笋生 蚕起食桑 紅花栄 麦秋至 仲夏 螳螂生 腐草為蛍 梅子黄 乃東枯 菖蒲華 半夏生 晩夏 温風至 蓮始開 鷹乃学習 桐始結花 土潤溽暑 大雨時行 初秋 涼風至 寒蝉鳴 蒙霧升降 綿柎開 天地始粛 禾乃登 仲秋 草露白 鶺鴒鳴 玄鳥去 雷乃収声 蟄虫坏戸 水始涸 晩秋 鴻雁来 菊花開 蟋蟀在戸 霜始降 霎時施 楓蔦黄 初冬 山茶始開 地始凍 金盞香 虹蔵不見 朔風払葉 橘始黄 仲冬 閉塞成冬 熊蟄穴 鮭魚群 乃東生 麋角解 雪下出麦 晩冬 芹乃栄 水泉動 雉始鳴 款冬華 水沢腹堅 鶏始乳 |