鶺鴒鳴(せきれいなく)は七十二候のひとつ(白露次候)で、現在行われている「定気」法では、太陽の視黄経が170度になった時を言います。毎年だいたい9月12日〜9月14日頃に来て、その後約5日間がこの候の時期となります。
宣明暦では「玄鳥帰」、貞享暦では「鶺鴒鳴」、宝暦暦・寛政暦では「鶺鴒鳴」、略本暦では「鶺鴒鳴」と記載されています。
前の七十二候は草露白、次の七十二候は玄鳥去です。この句はそのまま。鶺鴒(せきれい)が鳴く頃ということ。セキレイは体長20cmほどの中型の鳥で、北海道から九州まで、どこにでもいる留鳥、つまり渡り鳥ではない1年中いる鳥です。いつでも居る鳥なので、いつでも鳴いてます。ということで、貞享暦がなぜこの時期に「セキレイ鳴く」という句を当てたのかはよく分からない所です。その前の宣明暦では「玄鳥去」になっていますが、貞享暦以降では玄鳥去は白露次候ではなく末候に当てられています。
セキレイは日本書紀にも出てくるので、古くから日本列島に居たようです。日本書紀の一書(異説を集めた部分)で、日本列島を作った神様であるイザナギ・イザナミが、セックスの仕方が分からず悩んでいた時、セキレイが尾を振る様子を見て、やり方が分かったと書かれています。
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七十二候 | 初春 東風解凍 黄鶯見完 魚上氷 土脈潤起 霞始靆 草木萠動 仲春 蟄虫啓戸 桃始笑 菜虫化蝶 雀始巣 桜始開 雷乃発声 晩春 玄鳥至 鴻雁北 虹始見 葭始生 霜止出苗 牡丹華 初夏 蛙始鳴 蚯蚓出 竹笋生 蚕起食桑 紅花栄 麦秋至 仲夏 螳螂生 腐草為蛍 梅子黄 乃東枯 菖蒲華 半夏生 晩夏 温風至 蓮始開 鷹乃学習 桐始結花 土潤溽暑 大雨時行 初秋 涼風至 寒蝉鳴 蒙霧升降 綿柎開 天地始粛 禾乃登 仲秋 草露白 鶺鴒鳴 玄鳥去 雷乃収声 蟄虫坏戸 水始涸 晩秋 鴻雁来 菊花開 蟋蟀在戸 霜始降 霎時施 楓蔦黄 初冬 山茶始開 地始凍 金盞香 虹蔵不見 朔風払葉 橘始黄 仲冬 閉塞成冬 熊蟄穴 鮭魚群 乃東生 麋角解 雪下出麦 晩冬 芹乃栄 水泉動 雉始鳴 款冬華 水沢腹堅 鶏始乳 |