蛙始鳴(かわずはじめてなく)は七十二候のひとつ(立夏初候)で、現在行われている「定気」法では、太陽の視黄経が45度になった時を言います。毎年だいたい5月4日〜5月7日頃に来て、その後約5日間がこの候の時期となります。
宣明暦では「螻蟈鳴」、貞享暦では「鵑始鳴」、宝暦暦・寛政暦では「鼃始鳴」、略本暦では「鼃始鳴」と記載されています。
なお、これは初候ですので、立夏と同じ日時になります。
前の七十二候は牡丹華、次の七十二候は蚯蚓出です。「螻蟈」も「鼃」も蛙のことです。蛙がよく鳴くようになる時期ということ。貞亨暦版では「鵑」が鳴くとなっていますが「鵑」は「ほととぎす」のこと。「杜鵑」とも言います。「ケンケン」と鳴くのでこういう字が作られたもよう。ホトトギスは渡り鳥で、冬はインド方面で過ごし、5月頃に日本などにやってきます。毛虫を食べるので、毛虫が充分増えた頃にやってくるのだといいます。
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七十二候 | 初春 東風解凍 黄鶯見完 魚上氷 土脈潤起 霞始靆 草木萠動 仲春 蟄虫啓戸 桃始笑 菜虫化蝶 雀始巣 桜始開 雷乃発声 晩春 玄鳥至 鴻雁北 虹始見 葭始生 霜止出苗 牡丹華 初夏 蛙始鳴 蚯蚓出 竹笋生 蚕起食桑 紅花栄 麦秋至 仲夏 螳螂生 腐草為蛍 梅子黄 乃東枯 菖蒲華 半夏生 晩夏 温風至 蓮始開 鷹乃学習 桐始結花 土潤溽暑 大雨時行 初秋 涼風至 寒蝉鳴 蒙霧升降 綿柎開 天地始粛 禾乃登 仲秋 草露白 鶺鴒鳴 玄鳥去 雷乃収声 蟄虫坏戸 水始涸 晩秋 鴻雁来 菊花開 蟋蟀在戸 霜始降 霎時施 楓蔦黄 初冬 山茶始開 地始凍 金盞香 虹蔵不見 朔風払葉 橘始黄 仲冬 閉塞成冬 熊蟄穴 鮭魚群 乃東生 麋角解 雪下出麦 晩冬 芹乃栄 水泉動 雉始鳴 款冬華 水沢腹堅 鶏始乳 |