玄鳥至(つばめきたる)は七十二候のひとつ(清明初候)で、現在行われている「定気」法では、太陽の視黄経が15度になった時を言います。毎年だいたい4月4日〜4月6日頃に来て、その後約5日間がこの候の時期となります。
宣明暦では「桐始華」、貞享暦では「玄鳥至」、宝暦暦・寛政暦では「玄鳥至」、略本暦では「玄鳥至」と記載されています。
なお、これは初候ですので、清明と同じ日時になります。
前の七十二候は雷乃発声、次の七十二候は鴻雁北です。「玄鳥」とはツバメ(燕)のことで、ツバメが渡ってくる季節ということ。ツパメはだいたい4月初め頃に南方(台湾やフィリピン付近)から北上してきて、主として人家の軒先などに営巣し、10月頃また南方に帰って行きます。ツパメが日本などで人家の軒先に巣を作るのは、カラスなどの天敵となる大型の鳥が近寄りにくいからだとも言われています。人間はツバメに害をなさない、というのを知っているのですね。長い間に築かれてきた人とツバメの共生関係なのでしょう。ツバメは、より安全な家の軒下に巣を作るので、ツバメの巣がある家は栄えるという言い伝えもあります。
この句と対になっているのが9月の玄鳥去です。
なお、この句は貞享暦・寛政暦・略本暦では清明初候ですが、宣明暦では春分初候で半月早いです。
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七十二候 | 初春 東風解凍 黄鶯見完 魚上氷 土脈潤起 霞始靆 草木萠動 仲春 蟄虫啓戸 桃始笑 菜虫化蝶 雀始巣 桜始開 雷乃発声 晩春 玄鳥至 鴻雁北 虹始見 葭始生 霜止出苗 牡丹華 初夏 蛙始鳴 蚯蚓出 竹笋生 蚕起食桑 紅花栄 麦秋至 仲夏 螳螂生 腐草為蛍 梅子黄 乃東枯 菖蒲華 半夏生 晩夏 温風至 蓮始開 鷹乃学習 桐始結花 土潤溽暑 大雨時行 初秋 涼風至 寒蝉鳴 蒙霧升降 綿柎開 天地始粛 禾乃登 仲秋 草露白 鶺鴒鳴 玄鳥去 雷乃収声 蟄虫坏戸 水始涸 晩秋 鴻雁来 菊花開 蟋蟀在戸 霜始降 霎時施 楓蔦黄 初冬 山茶始開 地始凍 金盞香 虹蔵不見 朔風払葉 橘始黄 仲冬 閉塞成冬 熊蟄穴 鮭魚群 乃東生 麋角解 雪下出麦 晩冬 芹乃栄 水泉動 雉始鳴 款冬華 水沢腹堅 鶏始乳 |