お好み焼きの分類
一口にお好み焼きといっても、色々な種類があるようです。長崎県佐世保生まれの私が子供の頃から食べていた「お好み焼き」というのは、小麦粉を水で溶いたものに、キャベツやら卵を混ぜて、家庭ならフライパン、お店なら鉄板の上で焼いて、上にソースとけずりぶしと青海苔を掛けて食べるものでした。
この作り方は基本的には大阪風のお好み焼きの系列に入るようです。
この系統のお好み焼きでも、人が作っているのを見ていると微妙なバリエーションがあります。豚肉や海老などの具を先に焼いておいて、その上に、水で溶いた小麦粉にキャベツを混ぜたものを流し込む方法がありますが、この時卵は具と同じ扱いにする人と、小麦粉側に混ぜる人があるようです。
関東には「もんじゃ焼き」がありますが、実は私はこれを見たことがありません。聞くところによれば、先に具を焼き、それを環状に整えた上で、真ん中の穴に小麦粉を溶いたものを流し込んで、具を混ぜながら食べるのだとか。(といった感じでよいのでしょうか?・・・・近々東京に行く予定なので、何とか食べてこようと思っています)
お好み焼きで特筆すべきは広島風お好み焼きでしょう。これも色々とバリエーションがあるようですが、私が何度か(何度も)食べたものは、次のようにして焼いていました。具を別に焼いて、その上に小麦粉を溶いたものを掛けるまでは大阪風お好み焼きのバリエーションと同じパターンですが、そこに卵を別途鉄板の上に流し、その上に今焼いていたものを乗っけて、具を小麦粉と卵とのサンドイッチにしてしまいます。卵の味が小麦粉の中に埋もれてしまわないので、とってもおいしい食べ方だと思います。
ということで、各々のレシピを確認してみましょう。(もんじゃ焼きはよく分からないので省略します)
お好み焼き(1)大阪風-1
お好み焼き(2)大阪風-2
お好み焼き(3)広島風
たこ焼き
お好み焼きと一番近い親戚が、たこ焼きでしょう。しかし高級お好み焼き店はあっても高級たこ焼き店というのはないようです。
私のイメージの中のたこ焼きというのは、近所にあった小さな店の軒先で、そこのおばぁちゃんが焼いていたもので、白い紙の袋に5個とか10個とか入れて売っていたのを買ってきては食べていたものです。袋にどさどさっと入れていましたから、当然ソースは掛かっていませんでした。
先日「たこやき」(熊谷真菜著・リブロポート)という本を読んでおりましたら、このタイプのたこ焼きのことを「なにわのたこ焼き」と著者の熊谷氏は呼んでいました。
ところが最近、今住んでいる福岡で食べるたこ焼き、というのはだいたいソースがかかっていて、爪楊枝で刺して食べます。これを上記熊谷氏は「ソースのたこ焼き」と呼んでいます。
そして熊谷氏はたこ焼きのもうひとつの型として、「玉子焼き」(通称明石焼き)をあげています。これは実物を食べたことがないのでよく分かりませんが、だし汁に付けて食べるもののようです。また小麦粉に沈粉(じんこ)を混ぜて使うため、ふんわりとした仕上がりになるようです。
この明石の玉子焼きがたこ焼きのルーツになっているようで、昭和初期の頃生まれたもののようです。詳しいことは上記の本を読んで下さい。
お好み焼きのルーツ
お好み焼きや、たこ焼きのルーツに関しては、いろいろな資料の意見が一致しているようです。それは「麩の焼き」というもので、千利休の時代にお茶菓子として焼かれていたものとのことです。
これは今で言えばクレープのようなもので、小麦を溶いて薄く焼いたものに、味噌をつけ、ロール状に巻いて食べていたようです。
上記「たこやき」の熊谷氏は、この麩の焼きが発展して、お好み焼き・たこ焼きなどの他、ドラ焼き、鯛焼き、などが派生していく経過を追跡しています。