左義長

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15日は「小正月」。この日は左義長がおこなわれ、お正月のしめ縄や門松を外して燃やす行事が神社などでおこなわれます。

昔は村で共同で焼いたもので、「とんど」「どんど」「どんどん」などとも呼ばれました。正月の神様はこの燃やす煙に乗っておうちに帰るとされます。またこの左義長の火で焼いた餅を食べると1年間病気にならない、とされます。また、燃やしたあとの灰は各自が家に持ち帰り、家の回りにまきました。これは虫除け(虫とは蛇のこと)の効果があるとされます。

宮中ではこの日古くは天皇が書いた吉書を燃やす、吉書三毬打の行事が執り行われていました。これは後に民間にも流布し、書き初めで書いた書をこの日燃やし煙が高くあがるほど書も上手になると言われました。

なお、近年神社などでは「左義長をゴミ焼きと間違っている人がいて困る」という声が上がっています。しかし逆に参加者の側からも「直接火に投じることができず、縁起物がゴミ同然の扱いをされている」という声もあります。どうも参加者が増えすぎて、実行側も流れ作業的になってしまい、本来の神聖さが消えてしまっているようです。

基本的には左義長に持ち込むのは、しめ縄や門松などのお正月の飾りだけにしましょう。また、近年ダイオキシンの問題も出ています。プラスチック類は外してそちらは一般のゴミ回収に出すようにしたいものです。


小正月の行事としては、ほかに次のようなものがあります。

■もぐら打ち

小正月あるいはその前日の14日に子供達が田畑に出て、竹の先にわらをくくったもので地面を打って回る行事です。地方によってはナマコを付けて引きずるところもあります。その時にいうセリフも「もぐらうち。隣の庭へ這うて行け」「もぐらうち。隣の社に逃げて行け」「もぐら持つな、子持つな。ここは俺の寝床ぞ」「なまこ殿のお通りよ」などなど、バリエーションがありますが、全国的に子供の行事となっているようです。

■嫁叩き

おなじ叩くのでも、嫁さんの尻を叩く行事もあります。叩く相手は新嫁あるいは若い嫁で、やはり子供たちが祝い棒を持ち、家々を回って叩いて回る習慣のようです。これはかつては全国的におこなわれていたようで、平安時代の「枕草子」にもその記録が残されています。こちらは基本的には子孫繁栄を願う行事です。

■成木責め

これも嫁叩きと同じ系統のもので、祝い棒で果樹の木を叩いて回るものです。今年もよく実をつけてくれるように、という願いを込めて叩いて回るのです。かつては大人たちがやっていたようですが、近年はこれも子供達の担当になったようです。


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