鏡餅・蓬莱台・蓬莱

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鏡餅は半紙の上に丸い餅を2段に重ねて、その上に橙(だいだい)をおきます。裏白をはさむ所も多いようです。橙はやはり代々栄えるようにとのことです。食べる餅は関東では四角い切り餅、関西では丸い餅ですが、お飾り用の鏡餅は全国丸い餅2個を使います。ただし一部には古い風習を伝える、薄い丸餅1個を使う地方もあります。北陸の金沢では、白い丸餅の上に赤い丸餅を載せるという紅白の鏡餅が使用されます(↓の写真参照)。

鏡餅は各部屋の一番尊い場所に置くことになっており、それぞれが神の寄代(よりしろ)です。

特に家の中で一番大事な部屋、普通は居間の一番大事な場所に飾るものが一番大きい鏡餅です。床の間のある家なら床の間、そうでない家では昔はテレビの上に置いていたのですが、最近の薄型テレビでは置けないので、どこか適当な場所を見付けましょう。この鏡餅は三宝(さんぽう)の上にのせ、のしいか、昆布、伊勢エビなどを添えます。むろん大きな神棚のある家ではそこに飾ることになります。

なお、トイレの神様は普段は目をつむっていて、年に1度お正月だけ目を開くのだそうです。ですから、トイレは普段あまり掃除していない人でも、正月前にはきちんと掃除をして、きれいにお飾りを飾ってあげたいものです。

鏡餅は11日頃に鏡開きをして、善哉や雑煮にして食べます。この鏡餅は包丁で切ってはならず、手や鎚で割って小さくするのがしきたりです。これは「切る」は縁起が悪いからということで、そのため「開く」ということばを使います。

パックに入った鏡餅の場合、昔はパックにそのまま餅が詰めてあったので、あとで溶かして出してしまうしかなく不便だったのですが、1993年11月にサトウが、開くとたくさんの袋いり小餅が出てくる、というユニークなものを発売しました。これは非常におもしろい発想だったと思います。近年ではこのタイプの鏡餅が他のメーカーからも発売されています。(写真は越後製菓の2008年版−金沢仕様です)



蓬莱台は一部の地域で見られる正月飾りで、三宝の上に鏡餅と同様に縁起物をならべ、お米を山の形に持ったものです。床の間に1個だけ飾ります。
蓬莱は能登半島など一部の地域で見られるもので、神棚の下に筆でめでたい文字(福寿・招福・大漁など)を書いた紙を垂らすものです。書に自信がある人は自分で書いたりもしますが、多くの家庭ではスーパーで売っているものを買ってきて使用します。好きな文字を書いてくれるサービスをしているところもあります。正月直前に新しいのを飾り、そのまま1年間飾っています。
(2000.10.27以前)
(2007.12)図版追加
(2023.9.6)サトウの鏡餅の発売は1998ではなく1993.11

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