4月1日は「エイプリル・フール」です。欧米ではこの日だけは嘘をついてもいいということになっており、イギリスやフランスなどでは放送局や新聞が大嘘の報道を流したり、という日本では考えられないようなおふざけが行われます。過去にあった報道では「国連が財政不足解消のため月の土地を一般に販売する」とか、「市内の運河に鮭が押し寄せてきて手づかみで取れる」とか「欧州合同原子核研究機関(CERN)で新粒子発見」などといったのがあったそうです。CERNはインターネットをする人にはおなじみの所ですね。
日本でも一応「4月馬鹿」と訳して、ごく親しい友人間等で個人的に人をかついだりすることもありますが、日本の放送局が4月馬鹿だからといって嘘報道を流したら担当プロデューサの首が飛んで番組編成局長が減給処分になるかも知れません。NIFTYでも以前どこかのフォーラムでSYSOPが4月馬鹿のつもりで「このフォーラムを閉鎖します」と書いたら、それが元で騒動に発展し、本当に閉鎖する羽目になったことがあるそうです。
4月馬鹿の起源については諸説あるようです。
ある説ではノアの箱船が起源であるといいます。ノアは洪水がおさまって来た頃、どこかに陸地はないだろうかと鳩をとばしますが、鳩は水のない所を見つけることができず無駄足をふまされて(無駄羽をはばたかされて?)結局ノアの所に戻ってきます。[旧約聖書創世記8章6-9]
これが伝説では4月1日のことだったとして、この日には無駄なことをさせられるのだというのが一つの説です。
別の説では、古代ローマの祭りが起源であるとします。ローマではこの日だけは主人が奴隷に仕え、道化師が聖職者になり、といった逆さまのどんちゃん騒ぎが行われたといいます。いつもなら身分の一番高い人が座る席に道化(FOOL)を座らせて無礼講の君主(The lord of Misrule)としたことから、Foolの日ということになったのだというのがもう一つの説です。
フランスではこの日のことを「4月の魚」(Poisson d'Avril)といいます。これはフランスではこの時期に魚がとれることはめったにないので、あり得ないものということでこの言葉が出たのだと言いますが、別の説では poisson は元々は passion 受難 で、キリストの受難を意味し、キリストが保守派の祭司長たちに愚弄されたのを忘れないために馬鹿なことをする日なのだとします。
ある人はエイプリルフールに「イブのお祖母さん」に関する本を探させられたそうです。イブは最初の女性ですから、彼女にお祖母さんはいません。ある人は「ご主人が交通事故で亡くなりました」と家に電話したそうです。電話を受けた奥さんがショックで発作を起こして大騒動になったとのことで、まぁ嘘はあとで笑える程度に。