毎日スーパーに行くと生菓子売場でだんご3兄弟が流れています。そしてその前で子供が釘付けになっていて一緒に歌を歌っています。大阪ではこの歌ばかり流す有線のチャンネルが出来たとか。さて3月16日は春の十六団子。
この風習は今では随分少なくなったようですが、東北から北陸にかけての地域で主に行われていたようです。新暦でやる地区と旧暦でやる地区があります。
日本の農村では一般に、田の神様が秋には山に帰って山の神様になり、春になるとその山の神様が里に降りてきて田の神様になると言われています。山に帰るのを「さのぼり」、里に降りてくるのを「さおり」といい、春、里に降りてきた神様を迎える役が「さおとめ(早乙女)」です。「さなえ(早苗)」「さつき(皐月)」という言葉もこれに関連した言葉だともいいます。
十六団子はこの信仰に関わるもので、神様の移動日とされる11月16日と3月16日に16個の団子を作って神様にお供えするのです。ただしお供えする所は神棚や神社ではなく大黒様や恵比須様とかをお祭りしている場所というのが多いようです。つまりこれはこの信仰がまさに民俗の世界にあることを示しています。なお、お供えする団子ですが、普通の団子の所、火を使わない粢(しとぎ)の所、泥などで作った団子の所と様々です。
(皐月は5月ですが....まぁ、要するに降りてくるのは5月という説もある訳です。降りてくるのは2〜5月、帰るのは10〜11月ということのようです。)