毎年2月6日には和歌山県新宮市でお燈祭が行われます。これは熊野三社のひとつである熊野速玉神社と神倉神社を舞台にするものです。速玉神社は一般に「新宮(しんぐう)」と呼ばれ、市の名前もそこから出ているのですが、元々この神社はこの神倉神社の浜宮として作られたもので、それゆえに本体の神倉神社に対して「あらたみや」であるわけです。
祭りの進行としてはまず速玉神社の神官たちが行列を作って長い階段を登り神倉神社に赴き、そこで大きなたいまつを2個作ります。そこに一般の大勢の参加者(男性限定)が集まり、そのたいまつの火をわけてもらって一斉にこの神社の階段-538段-を駆け下ります。遠くからみるとまるで火の滝が落ちてくるような感じになるそうです。今では安全に充分気を配っているとは思いますが、昔は結構けが人や死人も出た祭りではないでしょうか。
神倉神社のご神体はこの神社の上にある大きな陽石「ゴトビキ岩」で、ここは男神の神社。荒々しいエネルギーが神様にパワーをチャージします。階段は源頼朝の寄進といわれています。