毎年1月6日の昼から1月7日の昼間で、高崎市の少林寺で恒例の「だるま市」(正月七草大祭)が開催されます。
だるまは選挙などの願掛けでも活躍していますが、禅宗の開祖、達磨大師(だるまだいし)が坐禅をしている姿をユーモラスに表現したもので、高崎市では約100軒の農家で年間160万個を生産。これは全国のだるま生産量の8割を占めています。
片目だけ入れて願い事が叶ったらもう片方も入れる願掛けに、また倒しても自分で起きあがる不屈の精神を表す「起きあがりこぼし」として、だるまは多くの人に愛されています。
天明3年(1783)、関東では浅間山の噴火や飢饉などで暗い世相になっていました。その時、少林寺の住職・東嶽和尚はお寺の開基の心越禅師が描いた達磨坐禅像をもとにだるま人形の木型を制作。これを使って農民達に張り子のだるま像を作らせて、暗い世の中を吹き飛ばし明るくするための縁起物として広めました。
以来、高崎では正月7日の縁日にこのだるま市が開かれるようになったのです。
この高崎のだるまは初期の頃はほんとうに坐禅している達磨大師の姿でしたが、やがて繭の形に似た「繭型だるま」、そして更には卵形をして起きあがりやすい現在の形のだるまへと変身していきました。
だるま市について詳しいことは下記のホームページを見るとよいでしょう。「ダルマの民俗学」吉野裕子著/岩波新書