さて、そのブラフマーの息子ダクシャにサティという娘がいました。サティ はシヴァが好きでしたが、ダクシャはシヴァを嫌っていました。サティの婿 選びの日、シヴァは招かれませんでしたが、サティがシヴァのことを一心に 念じて花を投げると、空中にシヴァが出現し、その花を受け止めました。 そうして二人は結婚しました。
しかしダクシャはどうしてもシヴァが嫌いなので事あるごとに冷たい仕打を します。その行為を悲しんだサティはある日火の中に身を投じて死んでしま いました。
シヴァは妻の死に呆然とし、遺体を抱いたまま各地を放浪します。それを 見かねたヴィシュヌは、シヴァを正気に戻すため、サティの遺体を108に 切り刻んで大地に散らしました。このサティの遺体の落ちた場所は現在全て 聖地となっています。
シヴァはようやく正気を取り戻しましたが、妻の死の悲しみはどうしようも なく、ヒマラヤで一心に苦行をしていました。ところがある時からその側に 近付いて色々と世話をしてくれる娘が現れました。娘をうるさく思うシヴァ ですが、実はこの娘こそ亡き妻サティの生まれ変わった姿だったのです。
その事を知ったシヴァはこの娘パールヴァティと結婚し、前にもまして愛し あうようになったのです。
基本的にシヴァにしろパールヴァティにしろ、昼の姿と夜の姿の大別ができ ます。昼の姿の代表がシヴァとパールヴァティで、夜の姿の代表がマハーカ ーラとドゥルガー(又はカーリー)です。
シヴァは仏教では大自在天、マハーカーラは大黒天になります。また伊舎那 天、伎芸天、摩醯首羅天、不動明王もシヴァであるとされます。
なお、「パールヴァティ」とは「山の娘」という意味です。
シヴァの乗物は牛であるとされます。その為ヒンズー教徒は牛を殺しません。