ピュラモスとティスベ
ピュラモスとティスベは恋人同士であった。二人は町外れの一本の木の下で待ち合わせすることにした。先に来たのはティスベの方であった。彼女がそこでピュラモスを待っていると、一頭のライオンが近づいてきた。驚いた彼女はその場を逃げ出したが、その時ヴェールを落としてしまった。ライオンは彼女のヴェールを引き裂いて去って行った。
そこにピュラモスがやってきたが、引き裂かれたヴェールを見て驚いた。猛獣の臭いが残っている。ピュラモスはてっきりティスベが猛獣に食べられてしまったと思いこみ絶望し、短剣で自害してしまった。
そこへティスベ戻ってきた。そして恋人の死体を見つけて悲嘆にくれ、彼の握っていた短剣で自分も自殺してしまった。
この話はギリシャ神話に見られるものであるが、このモチーフはその後非常に多くの作品で流用されている。ロミオとジュリエットの最後も、ある意味ではこの類型に属すものであろう。アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』にも印象的な使われ方をしていた。

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