1620年12月22日、メイフラワー号(The Mayflower)に乗ったイギリスの清教徒(Puritan)を中核とする一団がアメリカのプリマス港に上陸しました。これをForefathers, Pilgrim Fathers などといい、現在のアメリカ合衆国の支配層の祖先です。アメリカの支配層は一般にWASP(White-AngloSaxon-Protestant)といわれていますが、その中でもPilgrim Fathersの子孫は高い誇りを持っています。
イギリスではヘンリー8世が自らの離婚問題を機にカトリックから分離して1534年に英国国教会を設立しますが、事情が事情だけにこの宗派はプロテスタントの中でもかなり保守的な教理を持ちます。
清教徒はカルバンの流れを組むもので、国教会と対立するようになり、やがて迫害を受けるようになります。彼らの一部は一時期オランダに亡命しますが、そこで新大陸アメリカの話を聞き、そこに新天地を求めたものです。
このメイフラワー号に乗っていた乗客は男性73人、女性29人の合計102人。昔の船ですから航海は困難を極めましたが、この船中でおこなわれた「メイフラワー号の誓い(Mayflower compact)」はその後のアメリカ建国の理念の基礎となったものとして有名です。この文書には参加した41名の署名が並んでいます。一般にリーダー格とみなされるWilliam Bradfordの名前は2番目に書かれています。
メイフラワー号の人たちは到着後、新大陸で開墾をはじめますが、環境は厳しく1年目で半分の人たちが病気などで亡くなっています。しかし生き残った人たちは少しずつ新しい国の基礎を作り始めました。