安全剃刀の日(12.02)

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12月2日は安全剃刀(かみそり)の日です。これは1901年のこの日、アメリカのジレット(King Camp Gillette, 1855-1932)が安全剃刀の特許を取ったことを記念するものです。

ジレットはウィスコンシン州のFond du Lacの生まれで、アメリカ各地を行商して回っていましたが、発明好きの人で、客から「こんなもの作れない?」と言われると、よく作ってあげていたと言います。その中には彼の定番商品に進化するものもありました。使い捨て式の安全剃刀を発明したのは1895年ころで、その後いろいろ改良を加えて1901年特許取得。続いて、ジレット社(Gillette Safety Razor Company)をボストンで設立し、最初の製品を1903年に発売しました。

安全剃刀の画期的な点は、刃止めの装備であり、従来のナイフ型のカミソリと違って誤って大きな怪我をしてしまう危険が無くなったことです。そしてカミソリの軸は再利用可能とし、切れ味が悪くなったら刃だけを交換すればよい、という「お得な感じ」が消費者に受け入れられました。カミソリの刃を研ぐのは大変なので、それなら使い捨てにすれば、という所までは誰でも考えついたかも知れませんが、ジレットの偉い所は刃だけを使い捨てにしたことでしょう。ジレット社は初年度こそほとんど売れなかったものの2年目の1904年には軸を9万本、刃を1200万枚も販売しており、これは大ヒット商品となりました。

その後安全剃刀は二つの方向で進化して来ています。ひとつは刃の枚数を増やすことで、二枚刃は1971年に、三枚刃は1998年(貝印)に登場しています。連続して刃を当てることにより剃り残しを極力減らすことと、ひとつひとつの刃を柔らかくできることから、肌あたりがソフトになります。

もうひとつは周囲の各種の機構の工夫です。1921年シック社の祖となるJacobSchickは機関銃の弾丸装填機構にヒントを得て「シック・インジェクター」を発明。同社はジレットと並ぶ安全剃刀のビッグ・メーカーになっています。

刃先の切れ味確保のための改良も行われていて、1960年にジレットがシリコンコーティングを、1963年にはシックがテフロン・コーティングを開発しています。ジレットは1976年に首振り機構、1990年にはサスペンション機構を導入しています。また導入年代が確認できなかったのですが、現在中級品以上では横滑り防止機構の装備が一般的になっています。

安全剃刀は男性のヒゲ剃り用として発展して来ましたが、実はそれをかなりの女性がムダ毛を剃るのに使用していました。しかし、硬い男性のヒゲを剃るためのカミソリでは、女性の柔らかい体毛を剃るには強すぎますし、また肌も傷めやすいものでした。

女性用の安全剃刀の発売時期は確認できなかったのですが、シックが1980年に発売した「パーソナルタッチ」あたりが案外草分け的存在かも知れません。しかし、その後も男性用のカミソリは様々な工夫がなされているにも関わらず女性用はかなり適当な物が幅を利かせてきています。しかしその気風は少しずつ改まる気配もあり、ジレットは今年かなり画期的な三枚刃女性用カミソリ「ビーナス」を発売しています。これからは女性用の安全カミソリも充分良いものになっていくのかも知れません。

なお、現在男性のヒゲにしても女性の体毛にしても、剃る場合、この安全剃刀と並ぶもうひとつの流れが、電気シェーバーです。電気シェーバーの良い所は刃が露出していないため、まず肌を傷めることがないという点。肌のデリケートな人や、安全剃刀を使うのが下手な人には、とても嬉しい製品です。しかし欠点はそのまま、その露出していないことの裏返しで、外刃の厚さの分の剃り残しが確実に残ることでしょう。

また、肌の凸になっている所は安全剃刀の方がよく剃れ、凹になっている所は電気シェーバーの方がよく剃れる傾向があります。そこで、最近は両者を併用する人もあるようです。


(2001-12-01)

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