紅茶記念日(11.01)

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これは1791年の11月1日、大黒屋光太夫がロシアのエカチェリーナ女帝の茶会に招かれ、日本人として初めて紅茶を飲んだことを記念し、1983年に日本紅茶協会が制定したものです。

さて、ひどく大雑把に言えば、お茶には基本的に緑茶、烏龍茶、紅茶があるという理解をしてもそう正解から外れていません。しかしこれはお茶の品種そのものの違いではなく、飲用に供するまでの製法の違いによるものです。

基本的に紅茶は完全に発酵させており、烏龍茶(正確には青茶)は半発酵、そして緑茶は一切発酵させていません。俗説ではヨーロッパ人が中国でお茶を買って船でヨーロッパまで運んでいる内に自然と発酵して紅茶になってしまったのでヨーロッパでは紅茶の文化が発達した、などというのがあるのですが、実際にはそれは完璧な作り話。初期の頃はヨーロッパでもちゃんと中国と同様の青茶や緑茶などが飲まれていました。しかしその後完全発酵させた紅茶が入ってくると、こちらの方がヨーロッパ人の好みには合ったようで、それが普及してしまったのです。(この転換の経緯は幾つかの説がある)

元々はお茶の故郷は中国ですが、イギリスが一時期中国から撤退した時期があり、その時中国の茶の木を既に植民地化していたインドに植えて育てました。そのためイギリスの紅茶というとインド産という構図が生まれたのです。

現在紅茶の三大銘柄というと、ダージリン(北インド)、キーマン(中国)、ウバ(スリランカ)ですが、キーマンをのぞくあと2つはそのようなイギリスの政策によって生まれた産地です。なお北インドにはダージリンと並んで、人気の高いアッサムの産地もあります。またスリランカにはもうひとつの有力ブランドのディンブラもあります。

アイスティー用として名高いアールグレイは独特の香り故に嫌いな人もいる一方で熱烈なファンもいます。アールグレイとはグレイ伯爵という意味ですが、それはこの紅茶を作ったGray Charles伯爵にちなみます。

さてここからは完全な余談。

グレイ伯爵は実は烏龍茶の故郷・武夷山の岩茶系の正山小種のファンでした。

この正山小種には独特の深い香りがあり、伯爵は自分の領地で同様のお茶を育てようとするのですが散々努力するも失敗。最後は頭に来て、ベルガモットオイルで香りを付けてしまいました。そうして生まれたのがこのアールグレイなのですがこれが評判になると、ヨーロッパで正山小種を輸入していた業者が「こちらも負けずにもっと強い香りをつけてくれ」と注文してきます。

しかし本来の正山小種の香りというのは別に人工的に付けたものではなく元々のもの。しかしお得意様の注文には何とか応えねばというので、中国の人は頭をひねり、これを松の煙で薫製にして強烈な香りを付けてしまいました。

それ以降、本家の正山小種もそのように薫製にする製法で作られたものだけが出回るようになってしまったのです。

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