ハイビジョンの日(11.25)

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11月25日はハイビジョンの日です。これは郵政省(当時)とNHKが1987年に定めたもので、当時のハイビジョンの規格で定められた「走査線」の数 1125本に由来しています。

アナログ放送の画像は、横に走る多数の線により構成されています。ブラウン管のビーム銃は、横向きに左から右へと首振りしながらこの走査線を再現し、右端まで行ったら次の走査線の左端に戻ります(水平帰線)。そして一番下の右端まで行くと一番上の左端に戻ります(垂直帰線)。

従来のアナログ放送は、この走査線の数が525本でしたので1125本にすると約倍の解像度が得られ、美しい画面を見ることができたのです(アナログ放送では「インターレース」という技術を使うため走査線の数は奇数にする必要がある)。

ところが時代はアナログからデジタルへ。

ということで、この1125本アナログのハイビジョンは全く普及しないまま2007年で終了することになりました。

現在それに代わってデジタルハイビジョンの実験放送が始まっています。これはパソコンの画面と同様に画像を線ではなくドットで表現する方式であり、1080iという方式と720Pという方式がありますが、1080iの方が標準となっています。1080iはインターレース方式で、1920×1080ドット、720Pはプログレッシブ方式で、1280×720ドット、となっています。しかし実は1080iの高解像度を実現するための撮影機器は放送局や番組製作会社にも実はあまり普及しておらず、現状ではせっかくの規格を生かすだけの環境になっていません。これは今後数年での機器の開発の進展を待たなければなりません。

ハイビジョンの画像規格はアナログもデジタルも、横と縦の比率が16:9(1.777)になっています。これは映画のビスタサイズと同じ比率で、従来のテレビが4:3(1.333)であるのに対してかなり横長になっており、ハイビジョン対応のテレビは基本的に今までより横長の形をしています。

そのため、アナログハイビジョン放送が始まった時に、それに対応したテレビはその今までのテレビのイメージから離れた、異様な風体が注目されたものです。

それに便乗して出てきた若干不可解な商品が「ワイドテレビ」でした。これはハイビジョンに対応していないにも関わらず、画面の比率が16:9なので通常放送を見ていると、全ての番組が、横に伸ばされる(スクイーズ)か、左右に黒い帯が出た状態(レターボックス)あるいは上下を切った状態(パンスキャン)でしか見られないので、とても不便でした。

むろんテレビを見るより映画のビデオ見る方が多いという人には素敵な商品です。

また、ワイドテレビはハイビジョン放送が普及してきた時点で、ハイビジョンのチューナーを買い、接続すればハイビジョン映像がそのままの「比率」で見られるのですが、ハイビジョンの「品質」を得るにはD3端子(1080i用)またはD4端子(720P用)を装備していなければ無理です。

ただしD3端子を持っているワイドテレビであろうと、或いはデジタルハイビジョンチューナー内蔵の「ハイビジョンテレビ」であろうと、そのテレビの表示能力が低ければ「ハイビジョンの品質」は得られません。

この分野の商品は、買う時は良く調べてから買った方が良いです。


(2005-11-25)

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