11月18日は土木の日です。これは十と一で土、十と八で木になるためです。土木工事は常に建設工事と不可分のもので、両者はいわばコンピュータならハードとソフトにたとえることもできるものでしょう。ただし日本では昔は「土木」という言葉が現在の建築の分野までカバーする言葉だったようです。
土木工事で使用される道具はかつては、つるはし・シャベル・もっこ・コロなどが主役でしたが、現代ではそれがブルドーザー・パワーショベル・ベルトコンベヤー・ダンプカーなどに置き換えられています。
ブルドーザーは1923年にアメリカのJames CummingsとJ. Earl McLeod により開発されました。カミングスとマクロードのブルザードーはブレードを通常の四輪の自動車で押していましたが、後に無限軌道(クローラー)を持つものが主流となります。その無限軌道を発明したのは無限軌道の代名詞ともなっているキャタピラー(Caterpillar)社。この会社は1890年頃にBenjamin HoltとDaniel Bestが別々に起こした会社ですが、1925年に合併してCaterpillar社になりました。無限軌道の発明はホルト社の方ですが、1904年のことです。日本ではそのキャタピラー社のブルドーザーを参考に1940年から小松製作所が日本製ブルドーザーの開発を始めています。
なおブルドーザーとは「牛を眠らせる」という意味ですが、それはこの機械の登場により、今まで土木工事の主たる動力であった牛がヒマになって居眠りをしている、という意味です。
パワーショベルの発明はもっと古く、1837年 William S. Ootis によるものです。初期のパワーショベルは蒸気エンジンで動作し、仮設の鉄道の上を移動していました。写真で見ると小型の蒸気機関車の前にクレーンが載っているような雰囲気です。これも1920年頃から無限軌道に置き換えられていきます。
ダンプカーの発明の年代についてはちょっと確認できませんでした。フォードや日野自動車が1917年からトラックの生産を始めていますので、おそらくはそのころなのであろうと思われます。なお「ダンプ」という言葉と「トラック」という言葉はだいたい混用されているのですが、正確には自動傾斜可能な荷台(ベッセル)を持つトラックのことをダンプというようです。英語ではdumperもしくは dump truck といいます。
ベルトコンベヤーは英語ではひっくり返ってconveyor beltと呼ばれています。これも発明の年代が確認できませんでした。フォード自動車が工場にベルトコンベヤを導入したのが1913年のようですので、少なくともそれ以前ということになります。